抗真菌薬適正使用支援 侵襲性糸状菌感染症に着目した医師の立場
本稿は,おもにAspergillusなどによる侵襲性糸状菌感染症(invasive mold disease:IMD)に焦点を絞り,抗真菌薬適正使用支援(antifungal stewardship:AFS)の重要性と実践について述べる.AFSのエビデンスや重要なコンセンサスを提示し,AFSプログラムのプロセスとして「患者把握」と「モニタリングとフィードバック」の具体的な例を示す.AFSには診療フローチャートや感染症マネージメントバンドルの活用,適切なモニタリングのタイミング,抗真菌薬無効時の対応,ブレイクスルー感染症の評価が重要である.AFSの実践においては,多職種連携が不可欠であり,医師,...
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Published in | 日本医真菌学会雑誌 Vol. 66; no. 3; pp. 71 - 77 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本医真菌学会
31.07.2025
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Subjects | |
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ISSN | 2434-5229 2434-5237 |
DOI | 10.11534/ishinkin.25.005 |
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Summary: | 本稿は,おもにAspergillusなどによる侵襲性糸状菌感染症(invasive mold disease:IMD)に焦点を絞り,抗真菌薬適正使用支援(antifungal stewardship:AFS)の重要性と実践について述べる.AFSのエビデンスや重要なコンセンサスを提示し,AFSプログラムのプロセスとして「患者把握」と「モニタリングとフィードバック」の具体的な例を示す.AFSには診療フローチャートや感染症マネージメントバンドルの活用,適切なモニタリングのタイミング,抗真菌薬無効時の対応,ブレイクスルー感染症の評価が重要である.AFSの実践においては,多職種連携が不可欠であり,医師,薬剤師,看護師,検査技師がそれぞれの専門知識を活かし,診療の質を向上させることが求められる.特に医師は,診断が難しいIMDに対し,迅速な診断と治療開始の判断のため,より積極的な参加や介入が必要になる.AFSチームの組織編成の現状,チームにおける医師の役割の重要性について解説し,IMDを意識したAFSプログラムの構築方法を提案する. |
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ISSN: | 2434-5229 2434-5237 |
DOI: | 10.11534/ishinkin.25.005 |