高齢者肺がんに対する術後早期回復のための課題 胸腔鏡手術(VATS)を軸とした合併症予防の試み

高齢者肺がんはサルコぺニア,COPDをはじめさまざまな併存疾患を有する点が課題であり,短い術前の期間をいかに効率的に利用するか,消化管は扱わない手術である利点をいかに活用するかが重要な対策と考えられた.胸腔鏡による内視鏡手術を軸とした術前の包括的リハビリテーションと術後の超早期離床・経口摂取を加えたinterdisciplinary team approachによるA-ERAS法による周術期管理を紹介した.高齢者肺がんに対し,包括的リハビリテーションにより術後合併症が減少し,胸腔鏡手術により術後創部痛の軽減から早期の退院が可能となり,術当日の超早期離床・経口摂取により術後早期のADLが向上した...

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Published in静脈経腸栄養 Vol. 29; no. 6; pp. 1339 - 1345
Main Authors 山下, 芳典, 原田, 洋明, 桑原, 正樹, 半田, 良憲, 窪田, 真喜子, 大河内, 友美, 宮武, 志保, 井手, 孝, 白野, 容子, 高松, 理央, 槙田, 香子, 高濱, みほ, 中尾, 淳一, 道広, 博之, 峯本, 譲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈経腸栄養学会 2014
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Summary:高齢者肺がんはサルコぺニア,COPDをはじめさまざまな併存疾患を有する点が課題であり,短い術前の期間をいかに効率的に利用するか,消化管は扱わない手術である利点をいかに活用するかが重要な対策と考えられた.胸腔鏡による内視鏡手術を軸とした術前の包括的リハビリテーションと術後の超早期離床・経口摂取を加えたinterdisciplinary team approachによるA-ERAS法による周術期管理を紹介した.高齢者肺がんに対し,包括的リハビリテーションにより術後合併症が減少し,胸腔鏡手術により術後創部痛の軽減から早期の退院が可能となり,術当日の超早期離床・経口摂取により術後早期のADLが向上した.A-ERAS法は肺がん術後の回復促進の観点から臨床効果と忍容性が確認され,すでに当院では臨床の場で実践されている.
ISSN:1344-4980
1881-3623
DOI:10.11244/jjspen.29.1339