DMAT (災害派遣医療チーム) における理学療法士の支援活動の可能性

「要旨」:〔はじめに〕理学療法士が京都府DMAT(災害派遣医療チーム)に業務調整員の役割で参加した. DMATにおける理学療法士の支援活動の可能性について報告する. 〔経過〕2015年に理学療法士が京都府DMAT養成研修会に参加し, 隊員として登録された. 同年, 当院において大規模災害対応訓練を実施した. 研修や訓練では, 傷病者の情報を業務調整員がDMAT・災害対策本部・消防に伝達し, 治療や医療搬送等が行われる場面を多く経験した. 医学的知識を有した理学療法士が業務調整員を行うことにより, 多職種間でのさらなる深い連携が可能であった. 〔考察〕理学療法士は, 重症患者の診療に関わる機会を...

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Published in理学療法科学 Vol. 32; no. 5; pp. 745 - 748
Main Authors 岡村正嗣, 森一樹, 志水泰夫, 内田真樹, 吉本和徳, 相良亜木子, 里輝幸, 中村健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 20.10.2017
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Summary:「要旨」:〔はじめに〕理学療法士が京都府DMAT(災害派遣医療チーム)に業務調整員の役割で参加した. DMATにおける理学療法士の支援活動の可能性について報告する. 〔経過〕2015年に理学療法士が京都府DMAT養成研修会に参加し, 隊員として登録された. 同年, 当院において大規模災害対応訓練を実施した. 研修や訓練では, 傷病者の情報を業務調整員がDMAT・災害対策本部・消防に伝達し, 治療や医療搬送等が行われる場面を多く経験した. 医学的知識を有した理学療法士が業務調整員を行うことにより, 多職種間でのさらなる深い連携が可能であった. 〔考察〕理学療法士は, 重症患者の診療に関わる機会を有し, 災害時に速やかに適切な対応を実施する能力があり, DMATに参画することが可能であると考えられた. 「I. はじめに」DMAT(災害派遣医療チーム:Disaster Medical Assistance Team)は, 厚生労働省あるいは都道府県管轄の災害医療チームであり, 「大地震及び航空機・列車事故等の災害時に被災者の生命を守るため, 被災地に迅速に駆けつけ, 救急治療を行うための専門的な訓練を受けた医療チーム」と定義されている.
ISSN:1341-1667