認知症の非薬物的アプローチ - 研究から実践への示唆

皆さんこんにちは. 弘前大学の大庭と申します. 本日はこのような機会を与えてくださり大会長の成本迅先生, 事務局の皆様に感謝申し上げます. 簡単に自己紹介させていただきますと, 私の専門は心理学で, 認知症の方の行動の心理学的理解や, その介護者, 施設の職員の方などの負担感やメンタルヘルスに対する支援, 継続訓練といったことについて関心を持って実践や研究に携わってきました. 本日は, 認知症の非薬物的アプローチ, 研究から実践への示唆というテーマでお話したいと思います. どうぞよろしくお願いいたします. 最初に, そもそもなぜ非薬物的アプローチなのか, ということについて考えたいと思います....

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Bibliographic Details
Published in高齢者のケアと行動科学 Vol. 27; pp. 2 - 8
Main Author 大庭輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年行動科学会 01.12.2022
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Summary:皆さんこんにちは. 弘前大学の大庭と申します. 本日はこのような機会を与えてくださり大会長の成本迅先生, 事務局の皆様に感謝申し上げます. 簡単に自己紹介させていただきますと, 私の専門は心理学で, 認知症の方の行動の心理学的理解や, その介護者, 施設の職員の方などの負担感やメンタルヘルスに対する支援, 継続訓練といったことについて関心を持って実践や研究に携わってきました. 本日は, 認知症の非薬物的アプローチ, 研究から実践への示唆というテーマでお話したいと思います. どうぞよろしくお願いいたします. 最初に, そもそもなぜ非薬物的アプローチなのか, ということについて考えたいと思います. 2005年にアメリカの食品医薬品局から次のような警告が出ました(Lenzer, 2005). 「認知症の人は非定型抗精神病薬の副作用による死亡率が1.6倍から1.7倍高かった」というものです.
ISSN:1880-3474