エドキサバンによる抗凝固療法中に人工弁機能不全を来した一例
「抄録」 80歳代男性. 5年前に僧帽弁逸脱症および陳旧性心筋梗塞に対し, 僧帽弁置換術と冠動脈バイパス術を施行した. ワルファリンによる抗凝固療法が行われていたが, 約10ヶ月前よりエドキサバンに変更していた. 今回, 人工弁狭窄の診断にて再僧帽弁置換術が予定された. 手術は胸骨正中切開で行い, 上行大動脈送血, 上下大静脈脱血にて体外循環を確立した. 人工弁には血栓の付着とパンヌスの形成を認め, 生体弁にて再弁置換術を行った. 機械弁による弁置換術を受けた場合, 血栓形成のリスクにより術後抗凝固療法は不可欠であり, ガイドラインでワルファリン療法が推奨されている. ワルファリンと比較してエ...
Saved in:
Published in | Cardiovascular Anesthesia Vol. 25; no. 1; pp. 79 - 83 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓血管麻酔学会
01.09.2021
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「抄録」 80歳代男性. 5年前に僧帽弁逸脱症および陳旧性心筋梗塞に対し, 僧帽弁置換術と冠動脈バイパス術を施行した. ワルファリンによる抗凝固療法が行われていたが, 約10ヶ月前よりエドキサバンに変更していた. 今回, 人工弁狭窄の診断にて再僧帽弁置換術が予定された. 手術は胸骨正中切開で行い, 上行大動脈送血, 上下大静脈脱血にて体外循環を確立した. 人工弁には血栓の付着とパンヌスの形成を認め, 生体弁にて再弁置換術を行った. 機械弁による弁置換術を受けた場合, 血栓形成のリスクにより術後抗凝固療法は不可欠であり, ガイドラインでワルファリン療法が推奨されている. ワルファリンと比較してエドキサバンを服用している患者の方がより血栓塞栓症を起こしやすいことは証明されていないが, より慎重な管理が必要である. |
---|---|
ISSN: | 1342-9132 |