肩甲骨関節窩骨折に対して内固定を行った2例

「はじめに」肩甲骨骨折は稀な骨折で, 骨折全体の1%であり, そのうち肩甲骨関節窩骨折は肩甲骨骨折の30%を占める. 肩甲骨関節窩骨折の治療に関しては, 不安定性や転位の大きなものに対しては観血的治療が必要とされるが未だ手術方法に関する一定の見解はない. 今回, 肩甲骨関節窩骨折の2例を経験したので考察を加えて報告する. 「症例」症例1 : 48歳, 男性 主訴 : 左肩関節痛 現病歴 : 飲酒後に転倒して左肩関節, 顔面, 胸部を打撲し, 同日救急搬送された. 現症 : 顔面・左胸部・左肩関節の疼痛が強く, 自力移動が困難な状態であった. 左肩に腫脹があり, 左上肢の自動運動が困難であった....

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 32; no. 4; pp. 491 - 494
Main Authors 喜友名翼, 金谷文則, 山口浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2013
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ISSN1883-2873

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Summary:「はじめに」肩甲骨骨折は稀な骨折で, 骨折全体の1%であり, そのうち肩甲骨関節窩骨折は肩甲骨骨折の30%を占める. 肩甲骨関節窩骨折の治療に関しては, 不安定性や転位の大きなものに対しては観血的治療が必要とされるが未だ手術方法に関する一定の見解はない. 今回, 肩甲骨関節窩骨折の2例を経験したので考察を加えて報告する. 「症例」症例1 : 48歳, 男性 主訴 : 左肩関節痛 現病歴 : 飲酒後に転倒して左肩関節, 顔面, 胸部を打撲し, 同日救急搬送された. 現症 : 顔面・左胸部・左肩関節の疼痛が強く, 自力移動が困難な状態であった. 左肩に腫脹があり, 左上肢の自動運動が困難であった. 術前単純X線およびCT所見 : 骨折線が烏口突起基部から関節窩に及ぶ肩甲骨関節窩骨折 (Ideberg分類type III) および肩鎖関節脱臼 (Rockwood分類type V) を認めた.
ISSN:1883-2873