スポーツ選手に対する内側膝蓋大腿靭帯再建術の術後成績と競技復帰

[要旨] 本研究では反復性膝蓋骨脱臼に対して競技復帰を目標に内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術を施行したスポーツ選手の術後経過及び競技復帰状況を調査した. 対象は高校もしくは大学での競技レベルへの復帰を目標とし, 2011年3月から2012年7月に同一術者による薄筋腱を用いたMPFL再建術を施行したスポーツ選手5例5膝であった. 競技種目はバスケットボール3名, 野球1名, バレーボール1名であった. 全例術前と同等レベルでの競技復帰を果たし, 最も早い症例は術後7ヶ月での復帰であった. 試合までの競技復帰時における膝伸展筋力は, 患側体重比93.0%, 健患比85.0%であった. 最終フォロ...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 78 - 83
Main Authors 梅原弘基, 蟹沢泉, 細川智也, 黒川純, 宝亀淳, 土屋明弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2016
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ISSN1346-4159

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Summary:[要旨] 本研究では反復性膝蓋骨脱臼に対して競技復帰を目標に内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)再建術を施行したスポーツ選手の術後経過及び競技復帰状況を調査した. 対象は高校もしくは大学での競技レベルへの復帰を目標とし, 2011年3月から2012年7月に同一術者による薄筋腱を用いたMPFL再建術を施行したスポーツ選手5例5膝であった. 競技種目はバスケットボール3名, 野球1名, バレーボール1名であった. 全例術前と同等レベルでの競技復帰を果たし, 最も早い症例は術後7ヶ月での復帰であった. 試合までの競技復帰時における膝伸展筋力は, 患側体重比93.0%, 健患比85.0%であった. 最終フォローアップ時においてはapprehension signを認めず, Kujala scoreは平均97.8点であった. 競技復帰に関しては良好な結果であったが, 膝伸展筋力回復を基準とし競技復帰を図った結果, その期間は早くとも7ヶ月を要した.
ISSN:1346-4159