関節リウマチ患者に対する人工膝関節置換術の効果の分析 - 局所的効果, 全身的疾患活動性, 生活の質への影響の比較

「はじめに」 関節リウマチ(以下RA)の薬物治療はメトトレキサート(以下MTX)と生物学的製剤(以下Bio)の積極的使用により非常に進歩している. 早期のRA患者であればそのような治療により寛解に導入すれば機能的障害を予防しうる時代になっている. しかし, 現実はまだ長期罹病期間のRA患者が多数であり, そういった症例については薬物治療のみでは寛解に導入するのは困難な例が多く, ここに手術治療の意義は依然大きいものがある. RA患者に対する人工膝関節置換術(Total Knee Arthriplasty:以下TKA)は世界中で広く行われている治療法である. 通常TKAのアウトカム評価は, 関節...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 45 - 50
Main Authors 岡田貴士, 平野裕司, 竹本元大, 田中宏昌, 尾島未来, 大石幸由
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2015
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Summary:「はじめに」 関節リウマチ(以下RA)の薬物治療はメトトレキサート(以下MTX)と生物学的製剤(以下Bio)の積極的使用により非常に進歩している. 早期のRA患者であればそのような治療により寛解に導入すれば機能的障害を予防しうる時代になっている. しかし, 現実はまだ長期罹病期間のRA患者が多数であり, そういった症例については薬物治療のみでは寛解に導入するのは困難な例が多く, ここに手術治療の意義は依然大きいものがある. RA患者に対する人工膝関節置換術(Total Knee Arthriplasty:以下TKA)は世界中で広く行われている治療法である. 通常TKAのアウトカム評価は, 関節可動域(以下ROM), 日本整形外科学会評価基準(以下JOA score), Knee Society Scoreなどを用いて局所や生活の質(ADL)の評価が行われることが多い.
ISSN:1883-2873