潜在性二分脊椎併発の有無と片側・両側分離が腰椎分離症治療に及ぼす影響
「要旨」保存療法を行った初期および進行期の腰椎分離症33例を対象に癒合率と癒合に要する期間を後ろ向きに調査し, 潜在性二分脊椎の有無と片側・両側例における比較を行った. 癒合率は二分脊椎あり群(SBO+群)で72%, 二分脊椎なし群(SBO-群)で100%とSBO+群の癒合率は低く, SBO+群内では片側例より両側例の方が癒合率は低かった. SBO-群内では全例で癒合が得られたが, 初期より進行期, 片側例より両側例の方が癒合に要する期間は長い傾向が見られた. 潜在性二分脊椎や分離症診断時に対側に分離症がすでに存在している両側例では, 脊柱管の骨性輪状構造の破綻により椎弓根への応力負荷が左右不...
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 26; no. 3; pp. 442 - 450 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
30.08.2018
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ISSN | 1346-4159 |
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Summary: | 「要旨」保存療法を行った初期および進行期の腰椎分離症33例を対象に癒合率と癒合に要する期間を後ろ向きに調査し, 潜在性二分脊椎の有無と片側・両側例における比較を行った. 癒合率は二分脊椎あり群(SBO+群)で72%, 二分脊椎なし群(SBO-群)で100%とSBO+群の癒合率は低く, SBO+群内では片側例より両側例の方が癒合率は低かった. SBO-群内では全例で癒合が得られたが, 初期より進行期, 片側例より両側例の方が癒合に要する期間は長い傾向が見られた. 潜在性二分脊椎や分離症診断時に対側に分離症がすでに存在している両側例では, 脊柱管の骨性輪状構造の破綻により椎弓根への応力負荷が左右不均等に分布するため, 骨癒合が難しくなると考えられる. |
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ISSN: | 1346-4159 |