「国際まちの保健室」に参加する在日外国人の健康意識, 生活習慣と健康状態の関連性
「要旨」【目的】本研究は, 在日外国人の健康を維持増進するための基礎資料を得るために, 「国際まちの保健室」に参加する在日外国人の健康意識, 生活習慣と健康状態の関連性を明らかにすることを目的とした. 【方法】「国際まちの保健室」に来室した18歳以上の在日外国人79名を対象に調査した. 兵庫県健康財団が開発された健康増進プログラムの質問項目(生活11問, 運動10問, 栄養12問)を外国人の健康意識, 生活習慣を測定する尺度として, 信頼性, 妥当性を検証した後, 「SPSS22.0J」を用い, 健康意識, 生活習慣と健康状態の関連性を検討した. 【結果】研究協力者79名の身体状況は, 最高血...
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Published in | 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 23; pp. 59 - 77 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所
01.03.2016
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ISSN | 1881-6592 |
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Summary: | 「要旨」【目的】本研究は, 在日外国人の健康を維持増進するための基礎資料を得るために, 「国際まちの保健室」に参加する在日外国人の健康意識, 生活習慣と健康状態の関連性を明らかにすることを目的とした. 【方法】「国際まちの保健室」に来室した18歳以上の在日外国人79名を対象に調査した. 兵庫県健康財団が開発された健康増進プログラムの質問項目(生活11問, 運動10問, 栄養12問)を外国人の健康意識, 生活習慣を測定する尺度として, 信頼性, 妥当性を検証した後, 「SPSS22.0J」を用い, 健康意識, 生活習慣と健康状態の関連性を検討した. 【結果】研究協力者79名の身体状況は, 最高血圧は最高153mmHg, 平均119.0±13.93mmHg, 最低血圧は最小46mmHg, 平均73.0±12.05mmHg, 骨密度は平均1514±138.52, BMIは平均21.8±3.5, 体脂肪率は平均29.0±5.46%であった. 外国人の健康意識, 生活習慣に関する測定尺度のCronbach α係数は0.86-0.87であった. 研究協力者数が多い中国人59名のデータで健康意識と体脂肪率, 血圧, 骨密度との関連性を見た結果では, 血圧との関連性は見られなかった. 体脂肪率の低群は高群より, 普段の生活に体を使う工夫やストレス解消に関する健康意識, 生活習慣の得点が高く, 骨密度の高群は低群より, 運動, 食事, 休息のいずれも, 健康意識, 生活習慣の得点が高い結果であった. 【結論】健康意識, 生活習慣を測定する33質問項目は外国人に適用できることが明らかとなった. 身体状態の測定データから, 「国際まちの保健室」を利用する外国人の中に, 最高血圧が153mmHg, 最低血圧が46mmHgの方がいるなどから, 健康状態を計測し, 健康的な生活を送るために看護指導の必要性がある人がいることが示唆された. また, 体脂肪率と骨密度の結果は先行研究が発表された日本人住民のデータから考察すると, 外国人の体脂肪率が高値であり, 骨密度が低いことがわかり, それぞれ高低群に分けてみた結果は健康意識からの影響をうけていることが分かった. 今回の結果から得たエビデンスに基づき, 在日外国人の健康意識, 生活習慣の変容を促すための看護介入する上での示唆が得られた. |
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ISSN: | 1881-6592 |