頭部物理モデルを用いた柔道における後頭部衝突時の頭蓋内挙動観察実験

〔要旨〕頭蓋内を可視化できるモデルを使用し, 柔道で投げられた時の頭蓋内挙動を観察した. 衝突様式は頭部, 背部, 水平衝突の3つに分類できた. 頭部衝突はAM50ダミーで4/7例, AF05ダミーで全例に認められたことから, 身長差が大きいと頭部衝突になりやすいと考えられた. 頭部衝突の頭蓋内挙動は, 畳の上を滑りながら回転していた. その後体幹が落下し頚部が屈曲していき, 頭部が回転していた. 頭部衝突の予防は身長差のある選手同士の練習は控えるように指導するのが有効と思われた. 背部衝突の頭蓋内挙動は, 頚部が伸展し頭部が回転運動しながら畳に衝突し, その後再度頚部が屈曲していた. 背部衝...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 24; no. 3; pp. 443 - 450
Main Authors 紙谷武, 宮崎祐介, 稲次基希, 大宮正毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2016
Online AccessGet full text
ISSN1346-4159

Cover

More Information
Summary:〔要旨〕頭蓋内を可視化できるモデルを使用し, 柔道で投げられた時の頭蓋内挙動を観察した. 衝突様式は頭部, 背部, 水平衝突の3つに分類できた. 頭部衝突はAM50ダミーで4/7例, AF05ダミーで全例に認められたことから, 身長差が大きいと頭部衝突になりやすいと考えられた. 頭部衝突の頭蓋内挙動は, 畳の上を滑りながら回転していた. その後体幹が落下し頚部が屈曲していき, 頭部が回転していた. 頭部衝突の予防は身長差のある選手同士の練習は控えるように指導するのが有効と思われた. 背部衝突の頭蓋内挙動は, 頚部が伸展し頭部が回転運動しながら畳に衝突し, その後再度頚部が屈曲していた. 背部衝突の予防は頚部伸展を抑制することが重要である.
ISSN:1346-4159