高校男子サッカー選手の競技会中の外傷・障害調査

〔要旨〕 【目的】高校男子サッカー選手における競技会中の外傷・障害発生の実態を調査し, スポーツ外傷・障害予防の一助にすることを本研究の目的とした. 【方法】対象は全国高校サッカー選手権大会の都道府県予選レベルである高校男子サッカーチームのトップチーム(以下, A 群)25名とサテライトチーム(以下, B群)25名の合計50名とした. Injury rate(以下, IR)とその比については, 95%Confidence interval(以下, 95%CI)とともに算出した. IRの比較には95%CIのオーバーラップの有無を確認し, 有意差を判断した. 外傷・障害発生の要因, 重症度の比較に...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 2; pp. 535 - 541
Main Authors 島本大輔, 上池浩一, 織田岬希, 諸岡孝俊, 吉矢晋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2022
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕 【目的】高校男子サッカー選手における競技会中の外傷・障害発生の実態を調査し, スポーツ外傷・障害予防の一助にすることを本研究の目的とした. 【方法】対象は全国高校サッカー選手権大会の都道府県予選レベルである高校男子サッカーチームのトップチーム(以下, A 群)25名とサテライトチーム(以下, B群)25名の合計50名とした. Injury rate(以下, IR)とその比については, 95%Confidence interval(以下, 95%CI)とともに算出した. IRの比較には95%CIのオーバーラップの有無を確認し, 有意差を判断した. 外傷・障害発生の要因, 重症度の比較にはχ2検定を行い, 有意水準は5%未満とした. 競技会前に生じた外傷・障害は除外した. 【結果】Exposure TimeはA群102.5時間, B群114.1時間, 合計216.6時間であった. 外傷・障害発生件数は21件で, IRは97.0/1000phであった. A群のIRは175.6/1000phで, B群の26.3/1000phより有意に高かった. 外傷・障害の内訳は, 外傷が8件, 障害が13件で, 最も多い疾患は足関節捻挫4件であった. 【考察】本研究により高校男子サッカーチームの競技会において, IRは試合数が多い場合に高い可能性があり, 競技レベルが高いA群の方が高いことが示唆された.
ISSN:1346-4159