人工股関節全置換術における脚長補正に下肢アライメントが及ぼす影響

「はじめに」変形性股関節症で脚長差が存在する場合, 下肢のアライメントが変化することが報告されている. 一般的に, 短縮した患側下肢の膝関節は外反変形を, 対側下肢では患側に比べ内反変形を示す傾向にある. そのため, 人工股関節全置換術 (以下THA) 後に脚長差や関節拘縮が改善すると下肢アライメントも変化すると考えられるが, これまでにTHA後の下肢アライメントと脚長の関係について詳細に検討した報告はない. 今回, THA前後の下肢アライメントについて調査し, 下肢アライメントが脚長におよぼす影響について検討した. 「対象と方法」初回THAを施行した片側罹患の変形性股関節症で, 術前に股関節...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 30; no. 4; pp. 483 - 488
Main Authors 藤巻洋, 稲葉裕, 小林直実, 石田崇, 岩本直之, 雪澤洋平, 崔賢民, 池裕之, 手塚太郎, 平田康英, 齋藤知行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2011
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Summary:「はじめに」変形性股関節症で脚長差が存在する場合, 下肢のアライメントが変化することが報告されている. 一般的に, 短縮した患側下肢の膝関節は外反変形を, 対側下肢では患側に比べ内反変形を示す傾向にある. そのため, 人工股関節全置換術 (以下THA) 後に脚長差や関節拘縮が改善すると下肢アライメントも変化すると考えられるが, これまでにTHA後の下肢アライメントと脚長の関係について詳細に検討した報告はない. 今回, THA前後の下肢アライメントについて調査し, 下肢アライメントが脚長におよぼす影響について検討した. 「対象と方法」初回THAを施行した片側罹患の変形性股関節症で, 術前に股関節以外に変形性関節症を認めた患者および経過観察期間中に他の下肢手術を受けた患者を除外し, 術後1年以上の経過観察が可能であった43例 (女性34例, 男性9例) を対象とした.
ISSN:1883-2873