PCR法を用いたμオピオイド受容体 (OPRM1) 118A/G遺伝子多型と人格特性との関連についての研究

「要旨」 モルヒネの標的分子であるμオピオイド受容体(以下, OPRM1)に注目し, OPRM1遺伝子多型でその発現レベルや機能的活性に影響をもたらす118A/G(rs1799971)と人格特性との関連性があるかどうか検討を行った. 若年者236人(男性55人, 女性181人)を対象とし, 対象者からインフォームドコンセントを得た後採血し, DNAの抽出・精製を行った. OPRM1遺伝子多型の解析には, polymorphism chain reaction-restriction fragment length polymorphism (PCR-RFLP)法を用いた. また, 人格特性との...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医学検査 Vol. 71; no. 1; pp. 32 - 36
Main Authors 小野澤裕也, 金剛左京, 高野優, 古川菜生, 三上麻里奈, 青木理詠, 岩橋和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2022
Online AccessGet full text
ISSN0915-8669

Cover

More Information
Summary:「要旨」 モルヒネの標的分子であるμオピオイド受容体(以下, OPRM1)に注目し, OPRM1遺伝子多型でその発現レベルや機能的活性に影響をもたらす118A/G(rs1799971)と人格特性との関連性があるかどうか検討を行った. 若年者236人(男性55人, 女性181人)を対象とし, 対象者からインフォームドコンセントを得た後採血し, DNAの抽出・精製を行った. OPRM1遺伝子多型の解析には, polymorphism chain reaction-restriction fragment length polymorphism (PCR-RFLP)法を用いた. また, 人格特性との関連性を調べるために, 全ての対象者に自己記入式人格検査であるNEO Five Factor Inventory (NEO-FFI)とstate-trait anxiety inventory (STAI状態-特性不安検査)を実施した. その結果, Aアレル非保有者に比べ, Aアレル保有者ではNEO-FFIの誠実性スコアが有意差に高く(p=0.024), Aアレル非保有者ではSTAI特性不安スコアが有意に高いことが分かった(p=0.023). 今回の結果より, OPRM1遺伝子多型118A/Gが人格特性の「誠実性」および「特性不安」に影響を与えているのではないかと考えられた.
ISSN:0915-8669