痛みリエゾン外来(集学的慢性痛診療チーム)クリニカルパスの作成

「要旨」慢性痛は, 患者を苦しめるのみならず, 医療経済, 社会経済へも大きな損失をもたらすため, 早急な対策が必要である. 慢性痛は, 心理・社会的な要因を含み複雑になるため, 集学的に診療することが勧められている. しかし日本の医療体制では各科の壁を取り除いたチーム医療を行うのは困難な場合が多い. 我々は, 麻酔科, 整形外科, 精神科, 総合リハビリテーション部, 歯科麻酔科, 看護部等で診察やカンファレンスを行い, 診断治療を行う「痛みリエゾン外来」を2012年4月から開始した. 痛みリエゾン外来は, 複数の医療者で診療し, 運動療法を通じて生活の質の向上を目指す外来である. しかし,...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 16; no. 1; pp. 23 - 27
Main Authors 西江宏行, 大倉和代, 鉄永倫子, 井上真一郎, 太田晴之, 小田幸治, 日下亜依, 宮脇卓也, 福永亜沙美, 石川慎一, 好長香織, 馬場華奈己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本クリニカルパス学会 25.03.2014
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ISSN2187-6592

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Summary:「要旨」慢性痛は, 患者を苦しめるのみならず, 医療経済, 社会経済へも大きな損失をもたらすため, 早急な対策が必要である. 慢性痛は, 心理・社会的な要因を含み複雑になるため, 集学的に診療することが勧められている. しかし日本の医療体制では各科の壁を取り除いたチーム医療を行うのは困難な場合が多い. 我々は, 麻酔科, 整形外科, 精神科, 総合リハビリテーション部, 歯科麻酔科, 看護部等で診察やカンファレンスを行い, 診断治療を行う「痛みリエゾン外来」を2012年4月から開始した. 痛みリエゾン外来は, 複数の医療者で診療し, 運動療法を通じて生活の質の向上を目指す外来である. しかし, 複数での診療体制は複雑であり, 患者, 医療者側ともに混乱を生じた. そこで, 「痛みリエゾン外来クリニカルパス」を作成した. クリニカルパスを通じて, 痛みリエゾン外来の意義, 診療の流れ, 役割, 目標などが明確になり, スムーズな診療ができるようになった. クリニカルパスは慢性痛の診療にも有効であると考える.
ISSN:2187-6592