大学ラグビー選手の頭部衝撃既往は認知機能に影響を及ぼしているか?

[要旨] 本研究では, 脳振盪受傷後の認知機能評価テストであるCogSportを用いて反応時間を測定し, ラグビー選手における脳振盪を含む頭部衝撃既往回数との関係について明らかにすることを目的とした. 既往歴回数結果から群分けしたうえで, CogSportによる反応時間と競技経験年数の比較を実施した. 群間比較を実施した結果, 脳振盪を疑わせる既往歴が1~3回の群に比べ, 脳振盪を疑わせる既往歴が4回以上の群は反応時間が有意に遅延していた(p<0.05). また, 脳振盪を疑わせる既往歴が4回以上の群は, 既往歴0回群と1~3回群に比べ, 競技経験年数が有意に長い結果となった(p<...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 66 - 73
Main Authors 熊崎昌, 星川精豪, 太田千尋, 福林徹, 広瀬統一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2015
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ISSN1346-4159

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Summary:[要旨] 本研究では, 脳振盪受傷後の認知機能評価テストであるCogSportを用いて反応時間を測定し, ラグビー選手における脳振盪を含む頭部衝撃既往回数との関係について明らかにすることを目的とした. 既往歴回数結果から群分けしたうえで, CogSportによる反応時間と競技経験年数の比較を実施した. 群間比較を実施した結果, 脳振盪を疑わせる既往歴が1~3回の群に比べ, 脳振盪を疑わせる既往歴が4回以上の群は反応時間が有意に遅延していた(p<0.05). また, 脳振盪を疑わせる既往歴が4回以上の群は, 既往歴0回群と1~3回群に比べ, 競技経験年数が有意に長い結果となった(p<0.05). 本研究より, 長い競技経験年数による頭部への繰り返しの衝撃が, 認知機能に悪影響を与えている可能性が示唆された.
ISSN:1346-4159