直腸肛門周囲瘻孔を形成した潰瘍性大腸炎の外科治療例
潰瘍性大腸炎では種々の合併症が報告されているが, 同じ炎症性腸疾患であるCrohn病と異なり瘻孔を形成することはまれであり, Crohn病との鑑別診断や, 治療上の問題となる. 今回, 我々は直腸肛門周囲に瘻孔を形成し, 外科治療を要した症例を3例経験したので報告する. 3症例はいずれも30~40 歳代の女性で, 病悩期間はそれぞれ約25年, 9年, 12年であった. 病型は症例1, 2が全大腸炎, 再燃緩解型, 症例3は左側大腸炎, 再燃緩解型であり, 重症例はなかった. 手術は症例1は全結腸直腸切除・回腸ストーマ造設術, 症例2は3期分割大腸全摘・回腸肛門吻合術, 症例3では直腸膣瘻修復・...
Saved in:
Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 9; pp. 1490 - 1494 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.09.2005
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 潰瘍性大腸炎では種々の合併症が報告されているが, 同じ炎症性腸疾患であるCrohn病と異なり瘻孔を形成することはまれであり, Crohn病との鑑別診断や, 治療上の問題となる. 今回, 我々は直腸肛門周囲に瘻孔を形成し, 外科治療を要した症例を3例経験したので報告する. 3症例はいずれも30~40 歳代の女性で, 病悩期間はそれぞれ約25年, 9年, 12年であった. 病型は症例1, 2が全大腸炎, 再燃緩解型, 症例3は左側大腸炎, 再燃緩解型であり, 重症例はなかった. 手術は症例1は全結腸直腸切除・回腸ストーマ造設術, 症例2は3期分割大腸全摘・回腸肛門吻合術, 症例3では直腸膣瘻修復・一時的回腸瘻造設術を行った. 3症例とも手術後1~3年経過しているが瘻孔の再発は認めず, 有効な術式であったと思われた. |
---|---|
ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.38.1490 |