昭和大学歯科病院顎顔面口腔外科における過去22年間の顎矯正手術の実態調査

「緒言」顎矯正手術の目的は, 顎変形症における顎間関係の改善および機能的な正常咬合の確立である. また, 顎矯正手術の目的には硬組織および軟組織の不調和を是正し, 美的不調和を改善することも含まれる. 顎矯正手術における矯正治療が保険適用となったことにより, 社会的認知度が高まり, 顎矯正手術を希望する患者は増加傾向にあるとされている. 顎矯正手術は施設や術者の方針, あるいは年代によっても手術方法は異なるため, 手術内容を客観的に評価し, その医療水準を把握することは重要である. 今回われわれは, 診療録と麻酔記録を参考に, 当科で2001年1月から2022年12月までの過去22年間施行され...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 34; no. 4; pp. 241 - 246
Main Authors 稲田大佳暢, 高松弘貴, 田中元博, 堅田凌悟, 安田有沙, 佐藤仁, 大場誠悟, 栗原祐史, 代田達夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.12.2024
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ISSN0916-7048

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Summary:「緒言」顎矯正手術の目的は, 顎変形症における顎間関係の改善および機能的な正常咬合の確立である. また, 顎矯正手術の目的には硬組織および軟組織の不調和を是正し, 美的不調和を改善することも含まれる. 顎矯正手術における矯正治療が保険適用となったことにより, 社会的認知度が高まり, 顎矯正手術を希望する患者は増加傾向にあるとされている. 顎矯正手術は施設や術者の方針, あるいは年代によっても手術方法は異なるため, 手術内容を客観的に評価し, その医療水準を把握することは重要である. 今回われわれは, 診療録と麻酔記録を参考に, 当科で2001年1月から2022年12月までの過去22年間施行された顎矯正手術症例について症例の実態, 手術法の変遷と手術件数について臨床統計的学的に解析したので報告する. 「研究対象および方法」対象は2001年1月から2022年12月までの22年間に当科を受診し, 顎変形症の診断のもと顎矯正手術を施行した, 唇顎口蓋裂等の先天性異常を含む1,239症例である.
ISSN:0916-7048