膝前十字靭帯再建術後に Hip-focused Injury Prevention Program を導入したリハビリテーションが Star Excursion Balance Test を用いた動的バランス能力に与える影響
〔要旨〕我々は健常選手に対する膝前十字靭帯損傷予防で効果の認められた Hip-focused Injury Prevention Program (以下 HIP program)を膝前十字靭帯再建術(以下ACLR)後のリハビリテーションに導入している. そのリハビリテーションが動的バランス能力及び股関節外転・内転筋力に与える影響を明らかにすることを本研究の目的とした. 対象は, 初回ACLRを受けた女性競技レベル選手12名と健常選手12名とした. 動的バランス能力の評価として Modified Star Excursion Balance Test (以下M-SEBT)を用い, 測定時期を術後...
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 28; no. 3; pp. 487 - 495 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
31.08.2020
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ISSN | 1346-4159 |
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Summary: | 〔要旨〕我々は健常選手に対する膝前十字靭帯損傷予防で効果の認められた Hip-focused Injury Prevention Program (以下 HIP program)を膝前十字靭帯再建術(以下ACLR)後のリハビリテーションに導入している. そのリハビリテーションが動的バランス能力及び股関節外転・内転筋力に与える影響を明らかにすることを本研究の目的とした. 対象は, 初回ACLRを受けた女性競技レベル選手12名と健常選手12名とした. 動的バランス能力の評価として Modified Star Excursion Balance Test (以下M-SEBT)を用い, 測定時期を術後3ヶ月とスポーツ復帰時とした. 患側・健側とも術後3ヶ月とスポーツ復帰時を比較し, スポーツ復帰時には健常群と比較した. また, スポーツ復帰時には股関節外転・内転筋力も併せて測定した. その結果, 患側のM-SEBTのリーチ率は術後3ヶ月からスポーツ復帰時に有意に向上し, スポーツ復帰時には健常群と同等以上であった. 股関節外転筋力は健常群より有意に大きく, 内転筋力は同程度の値であった. 本研究の結果から, HIP programを導入したリハビリテーションはACLR後の動的バランス能力の改善に有効で, 股関節外転・内転筋力が影響している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1346-4159 |