国内デング熱の臨床 - 当院での診療経験を交えて
「はじめに」1940年代以降, 国内で感染したデング熱症例は報告されていなかったが(堀田, 1988), 2014年8月26日に約70年ぶりに東京都内で感染したと思われるデング熱症例が報告された. その後も東京都内を中心に海外渡航歴のないデング熱症例が報告され, 最終的に162例が国内で感染したデング熱と診断された. 国立国際医療研究センターでは, 2014年に19例の国内感染例を診療しており, この19症例についての疫学的情報, 臨床症状, 検査所見について解析した. 患者の年齢は中央値33歳(6~64歳), 性別は男性10例, 女性9例であった. 発症日は最も早い患者で8月12日であった....
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Published in | Medical Entomology and Zoology Vol. 66; no. 4; pp. 207 - 209 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本衛生動物学会
25.12.2015
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Summary: | 「はじめに」1940年代以降, 国内で感染したデング熱症例は報告されていなかったが(堀田, 1988), 2014年8月26日に約70年ぶりに東京都内で感染したと思われるデング熱症例が報告された. その後も東京都内を中心に海外渡航歴のないデング熱症例が報告され, 最終的に162例が国内で感染したデング熱と診断された. 国立国際医療研究センターでは, 2014年に19例の国内感染例を診療しており, この19症例についての疫学的情報, 臨床症状, 検査所見について解析した. 患者の年齢は中央値33歳(6~64歳), 性別は男性10例, 女性9例であった. 発症日は最も早い患者で8月12日であった. 19例の患者すべてに3カ月以内の海外渡航歴はなく, 15例は代々木公園が感染地と考えられ, その他の4名はそれぞれ新宿中央公園, 明治神宮, 神宮外苑, 上野公園で感染したものと考えられた. 曝露日が特定された9例における潜伏期は中央値6日(3~7日)であった. |
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ISSN: | 0424-7086 |