結核菌薬剤感受性試験における小川法kanamycinおよびamikacin精度の検討

「要旨」 : 〔目的〕結核菌の小川法におけるkanamycin (KM) について, L-J法と比較しその精度を検証した. amikacin (AMK) はL-J法を参考に濃度を設定し, 小川法のAMKの精度を評価した. 〔方法〕多剤耐性結核菌92株を含む結核菌114株を対象とし, KMは小川法20μg/ml (小川KM 20) および30μg/ml (小川KM 30) の成績をL-J法30μg/ml (L-J KM 30) と比較した. AMKは小川法30μg/mlとL-J法30μg/mlの成績を比較した. 結果の解析にはMcNemar検定を用いた. 〔結果〕検定結果はL-J KM 30 v...

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Published in結核 Vol. 94; no. 2; pp. 35 - 38
Main Authors 青野昭男, 近松絹代, 五十嵐ゆり子, 村瀬良朗, 山田博之, 高木明子, 御手洗聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 15.02.2019
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Summary:「要旨」 : 〔目的〕結核菌の小川法におけるkanamycin (KM) について, L-J法と比較しその精度を検証した. amikacin (AMK) はL-J法を参考に濃度を設定し, 小川法のAMKの精度を評価した. 〔方法〕多剤耐性結核菌92株を含む結核菌114株を対象とし, KMは小川法20μg/ml (小川KM 20) および30μg/ml (小川KM 30) の成績をL-J法30μg/ml (L-J KM 30) と比較した. AMKは小川法30μg/mlとL-J法30μg/mlの成績を比較した. 結果の解析にはMcNemar検定を用いた. 〔結果〕検定結果はL-J KM 30 vs. 小川KM 20 がp=0.0133, L-J KM 30 vs. 小川KM 30 がp=0.134であった. AMKについてはL-J法と小川法は100%一致していた. 〔考察〕小川法のKMは30 μg/mlを用いることで, よりL-J法に近い精度を得ることが可能であった. AMKの小川法は30μg/mlを用いることでL-J法と同等の精度が得られると考えられた. KMおよびAMKの濃度設定は諸外国との疫学データの比較においても重要と思われた.
ISSN:0022-9776