非結核性抗酸菌症に対する外科切除の成績

「要旨」 : 〔目的〕非結核性抗酸菌 (NTM) 症の治療には, 薬剤耐性など限られた症例に対して外科切除の適応がある. 本検討では外科切除後の成績を明らかにすることを目的とした. 〔対象〕2012年1月から2017年12月までの手術例18例を対象とした. 観察期間中央値は39.1カ月. 〔方法〕術後排菌が陽性化, もしくは画像で陰影の増悪を再燃とし, 術後合併症と無病生存率 (DFS) をそれぞれ検討した. 〔結果〕年齢中央値66歳, 男性4例 (22%) , 女性14例 (78%) , 菌種はM.avium 12例 (67%) , M.intracellulare 3例(16%) , M....

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Published in結核 Vol. 94; no. 7; pp. 409 - 412
Main Authors 関原圭吾, 石黒勇輝, 平井星映, 草場勇作, 田村賢太郎, 松本周一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 15.07.2019
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」 : 〔目的〕非結核性抗酸菌 (NTM) 症の治療には, 薬剤耐性など限られた症例に対して外科切除の適応がある. 本検討では外科切除後の成績を明らかにすることを目的とした. 〔対象〕2012年1月から2017年12月までの手術例18例を対象とした. 観察期間中央値は39.1カ月. 〔方法〕術後排菌が陽性化, もしくは画像で陰影の増悪を再燃とし, 術後合併症と無病生存率 (DFS) をそれぞれ検討した. 〔結果〕年齢中央値66歳, 男性4例 (22%) , 女性14例 (78%) , 菌種はM.avium 12例 (67%) , M.intracellulare 3例(16%) , M.xenopi 2例 (11%) , M.abscessus 1例 (6%) であった. 術式は部分切除1例 (6%) , 区域切除2例 (11%) , 肺葉切除11例 (61%) , 肺葉切除+部分切除1例 (6%) , 肺葉切除+区域切除3例 (16%) , 手術時間220分, 出血量84gであった. 合併症は遷延性肺瘻を2例 (11%) に認め, 周術期死亡はなかった. 術後3年DFSは85%であった. 〔考察〕重症合併症や周術期死亡はなかった. 病勢制御率も高く, 適切な症例選択をすれば外科切除は有効な治療である.
ISSN:0022-9776