外傷全身CT撮影における被ばく線量 (CTDI volとDLP) の国内実態調査2022

【要旨】 目的: 2017年に自身らが行った外傷全身CTの被ばく線量(CT装置に表示されるCTDIvolとDLP)の全国調査から5年が経ち, 2020年には外傷全身CTについて医療被ばくの線量指標となる診断参考レベル「5,800mGy・cm」が明記された. 5年後の再調査を行い, 公表後の外傷全身CTの被ばく線量の変化を明らかにすること. 方法: 全国の救命救急センター290施設を調査対象とした. 日本救急撮影技師認定機構が運用しているメーリングリストに依頼し, 賛同が得られた施設での成人標準体型群(20~80歳, 体重50~70kg)の連続30例の被ばく線量の要約値(最小値・25%値・中央値...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 26; no. 6; pp. 711 - 720
Main Authors 宮安孝行, 藤村一郎, 小倉圭史, 田代雅実, 小野勝範, 田中善啓, 大保勇, 赤木憲明, 高本聖也, 五十嵐隆元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床救急医学会 01.12.2023
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ISSN1345-0581

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Summary:【要旨】 目的: 2017年に自身らが行った外傷全身CTの被ばく線量(CT装置に表示されるCTDIvolとDLP)の全国調査から5年が経ち, 2020年には外傷全身CTについて医療被ばくの線量指標となる診断参考レベル「5,800mGy・cm」が明記された. 5年後の再調査を行い, 公表後の外傷全身CTの被ばく線量の変化を明らかにすること. 方法: 全国の救命救急センター290施設を調査対象とした. 日本救急撮影技師認定機構が運用しているメーリングリストに依頼し, 賛同が得られた施設での成人標準体型群(20~80歳, 体重50~70kg)の連続30例の被ばく線量の要約値(最小値・25%値・中央値・75%値・最大値)を集計し, 統計学的解析を行った. 結果: 64施設, 77条件の被ばく線量の要約値が得られた. 中央値群の中央値が4,509mGy・cm, 最小値群の最小値が1,025mGy・cm, 最大値群の最大値は11,041mGy・cm, 最大値/最小値は10.77であった(前回の最大値/最小値は7.31). 結語: 施設間での被ばく線量の格差は広がっていた.
ISSN:1345-0581