膝前十字靱帯再建術後のスポーツ復帰後における神経・筋協調性と自覚的不安感の回復過程

〔要旨〕膝前十字靱帯(ACL)再建術後のスポーツ復帰後1か月時と術後20か月時の神経・筋協調性と膝の自覚的不安感をswitching silent period(SSP)およびアンケート調査を用いて評価し, その回復過程について検討した. ACL再建術後の41例を対象とし, 光反応による片脚ジャンプを行い, 大腿直筋と大腿二頭筋のSSPを表面筋電図にて測定した. 復帰後1か月時のSSPは, 患側が健側に比べて有意に長くなっており, SSPの患健側比はスポーツレベル, 復帰期間と有意な相関を認めた. 術後20か月時にもSSPが測定可能であった12例においては, 患側のSSPが復帰後1か月時と比べ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 29; no. 2; pp. 191 - 197
Main Authors 相羽宏, 舟崎裕記, 川井謙太朗, 林大輝, 村山雄輔, 大西咲子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2021
Online AccessGet full text
ISSN1346-4159

Cover

More Information
Summary:〔要旨〕膝前十字靱帯(ACL)再建術後のスポーツ復帰後1か月時と術後20か月時の神経・筋協調性と膝の自覚的不安感をswitching silent period(SSP)およびアンケート調査を用いて評価し, その回復過程について検討した. ACL再建術後の41例を対象とし, 光反応による片脚ジャンプを行い, 大腿直筋と大腿二頭筋のSSPを表面筋電図にて測定した. 復帰後1か月時のSSPは, 患側が健側に比べて有意に長くなっており, SSPの患健側比はスポーツレベル, 復帰期間と有意な相関を認めた. 術後20か月時にもSSPが測定可能であった12例においては, 患側のSSPが復帰後1か月時と比べ有意に短くなり, 健側, 患側間の比較においても有意差はなかった. 自覚的不安感は, 復帰後1か月時に比べて, 術後20か月時では有意に減少していた. ACL再建術後のスポーツ復帰後1か月時においては神経・筋協調性の低下および自覚的不安感を認めたが, 術後20か月までには神経・筋協調性の回復が得られ自覚的不安感も減少していた.
ISSN:1346-4159