若年者に対するMayo Conservative Femoral Prosthesisの中期成績

「はじめに」高度に破壊された股関節機能の再建には, 人工股関節置換術 (以下THA) が適応となるが, 青壮年者においてはTHAの長期成績に問題が残ることから各種骨切り術等の関節温存手術が選択されることが多い. しかし, 青壮年者においてもTHAを選択せざるをえない場合があり, 将来の再置換術を考慮した機種選択をする必要がある. 中等度あるいは高度の臼蓋形成不全を有する若年者の大腿骨はchampagne-flute型に代表されるような骨髄腔狭小化や, 急峻な頚体角, 過度の前捻角などの形態異常が多くみられる. 従来のステムでは過小サイズになるばかりか, 遠位での固定となりstress shie...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 32; no. 4; pp. 421 - 425
Main Authors 和田佳三, 三上浩, 三好英昭, 大歯浩一, 森本雅俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2013
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Summary:「はじめに」高度に破壊された股関節機能の再建には, 人工股関節置換術 (以下THA) が適応となるが, 青壮年者においてはTHAの長期成績に問題が残ることから各種骨切り術等の関節温存手術が選択されることが多い. しかし, 青壮年者においてもTHAを選択せざるをえない場合があり, 将来の再置換術を考慮した機種選択をする必要がある. 中等度あるいは高度の臼蓋形成不全を有する若年者の大腿骨はchampagne-flute型に代表されるような骨髄腔狭小化や, 急峻な頚体角, 過度の前捻角などの形態異常が多くみられる. 従来のステムでは過小サイズになるばかりか, 遠位での固定となりstress shieldingのために近位の骨量減少を招くことがあり, short stemによる固定が望まれる場合が多い. この問題に対してMayo Concervative Femoral Prosthesis (Mayo stem) はmultipoint contactによる近位骨端部での早期固定, 最小限の骨侵襲, thigh painの抑制, 骨温存をコンセプトとしており, 一つの解決策を提案していると思われる.
ISSN:1883-2873