化学療法が奏効した多発性肺嚢胞に伴うMycobacterium xenopi肺感染症と考えられた1例
「要旨」: 症例は自然気胸の既往ある39歳男性. 検診にて胸部異常陰影を指摘され当院を紹介された. 胸部CTでは両肺尖部に多発肺嚢胞を認め, 左上葉の嚢胞周囲に浸潤影を伴っていた. 喀痰抗酸菌培養陽性となり, DNA-DNA hybridization法にてMycobacterium xenopiが複数回同定され, M. xenopi肺感染症と考えられた. 1カ月の経過で浸潤影の増大を認めたため, isoniazid, rifampicin, ethambutol, clarithromycinの4剤併用療法を開始した. その結果, 内服2週間後には培養陰性化し, 10カ月後には浸潤影の改善を...
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Published in | 結核 Vol. 87; no. 11; pp. 733 - 736 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本結核病学会
15.11.2012
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0022-9776 |
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Summary: | 「要旨」: 症例は自然気胸の既往ある39歳男性. 検診にて胸部異常陰影を指摘され当院を紹介された. 胸部CTでは両肺尖部に多発肺嚢胞を認め, 左上葉の嚢胞周囲に浸潤影を伴っていた. 喀痰抗酸菌培養陽性となり, DNA-DNA hybridization法にてMycobacterium xenopiが複数回同定され, M. xenopi肺感染症と考えられた. 1カ月の経過で浸潤影の増大を認めたため, isoniazid, rifampicin, ethambutol, clarithromycinの4剤併用療法を開始した. その結果, 内服2週間後には培養陰性化し, 10カ月後には浸潤影の改善を認めた. M. xenopi肺感染症の報告は本邦でも散見されているが, 本症例のように嚢胞周囲に発生し, 化学療法が奏効した経過を示した症例は稀である. |
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ISSN: | 0022-9776 |