患者からの暴言・暴力遭遇経験有無別にみた結核病棟看護職の仕事ストレスの比較
「要旨」 : 〔目的〕結核病棟看護職の患者からの暴言・暴力遭遇経験の実態と遭遇経験有無別にみた仕事によるストレスを比較することを目的とした. 〔方法〕調査協力が得られた83医療機関の結核病棟看護職1315名を対象に, 2014年7月に郵送による自記式質問紙調査を実施した. 調査項目は, 結核病棟勤務年数, 過去1年間の患者からの暴言・暴力の遭遇経験の有無, 臨床看護職者の仕事ストレッサー測定尺度 (以下NJSS) などとした. 〔結果〕78施設920名 (回収率70.0%) から回答が得られ, 有効回答は862名 (有効回答率65.6%) であった. 女性は799名 (92.7%) , 結核病...
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Published in | 結核 Vol. 94; no. 10; pp. 509 - 514 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本結核病学会
15.10.2019
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ISSN | 0022-9776 |
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Summary: | 「要旨」 : 〔目的〕結核病棟看護職の患者からの暴言・暴力遭遇経験の実態と遭遇経験有無別にみた仕事によるストレスを比較することを目的とした. 〔方法〕調査協力が得られた83医療機関の結核病棟看護職1315名を対象に, 2014年7月に郵送による自記式質問紙調査を実施した. 調査項目は, 結核病棟勤務年数, 過去1年間の患者からの暴言・暴力の遭遇経験の有無, 臨床看護職者の仕事ストレッサー測定尺度 (以下NJSS) などとした. 〔結果〕78施設920名 (回収率70.0%) から回答が得られ, 有効回答は862名 (有効回答率65.6%) であった. 女性は799名 (92.7%) , 結核病棟勤務年数は平均3.2年であった. 患者からの暴言・暴力に遭遇あり群は383名 (44.4%) であり, 遭遇なし群に比べて統計的に有意にNJSSの総合得点およびすべての下位尺度, 結核病棟勤務年数, N95マスクにより患者とのコミュニケーションに支障ありの割合が高かった. 〔結論〕暴言・暴力の遭遇経験があった看護職はストレスを強く感じていた. 結核病棟入院患者のストレスを軽減するためのケアやアメニティの設備の充実, 必要に応じて警備員の巡回などの対応策を検討する必要がある. |
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ISSN: | 0022-9776 |