僧帽筋下部線維を賦活化させるエクササイズのシステマティックレビュー

〔要旨〕 【目的】僧帽筋下部線維(LT)を賦活化させるエクササイズ(Ex)をシステマティックレビューで明らかにする. 【方法】PubMed・医学中央雑誌刊行会で文献を収集し, 選出した論文でLTの%MVCが高いEx, 僧帽筋上部線維(UT)との筋活動比UT/LTが低いEx, 両者を加味したExをまとめた. 【結果】%MVCは肩関節挙上位でのリトラクションが多く, 報告数では腹臥位肩関節外旋運動が5件と最も多かった. UT/LTでは肩関節挙上位でないExが低値を示した. UT/LTが低くLTの%MVCが高いExは肩甲骨リトラクションExが多く, 重錘を用いたExはなかった. また, 肩甲骨リトラ...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 2; pp. 522 - 528
Main Authors 齋藤裕美, 大久保雄, 杉本真郷, 原田健, 乙戸崇寛, 赤坂清和, 金岡恒治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2022
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕 【目的】僧帽筋下部線維(LT)を賦活化させるエクササイズ(Ex)をシステマティックレビューで明らかにする. 【方法】PubMed・医学中央雑誌刊行会で文献を収集し, 選出した論文でLTの%MVCが高いEx, 僧帽筋上部線維(UT)との筋活動比UT/LTが低いEx, 両者を加味したExをまとめた. 【結果】%MVCは肩関節挙上位でのリトラクションが多く, 報告数では腹臥位肩関節外旋運動が5件と最も多かった. UT/LTでは肩関節挙上位でないExが低値を示した. UT/LTが低くLTの%MVCが高いExは肩甲骨リトラクションExが多く, 重錘を用いたExはなかった. また, 肩甲骨リトラクションに体幹同側回旋を加えたExはUT/LTをより低下させた. 【結語】UTを抑制させLTを賦活化させるExは肩甲骨リトラクションが有用であり, 重錘の必要性が低いことも示唆された. しかし, 報告件数は少なくさらなる研究が必要である.
ISSN:1346-4159