門脈圧亢進症における大腸血管病変についての内視鏡的検討

教室例75例の門脈圧亢進症の大腸内視鏡を検討した結果, その特徴的所見と出現頻度は,(1) 静脈瘤・blue vein: 46, 7% (35/75) [静脈瘤: 16% (12/75), blue vein: 30.7% (23/75)],(2) 樹枝状血管拡張: 85.3% (64/75),(3) くも状血管腫様病変: 6.7% (5/75) であった.特に大腸静脈瘤についてその出現部位をみると, 直腸 (25/63, 39.7%), S状結腸 (16/63, 25.4%), 盲腸 (10.63, 15.9%) に多発し, 基礎疾患別では肝硬変症 (26/63, 41.3%) に比べて,...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 5; pp. 1242 - 1250
Main Author 蔡, 鴻飛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1991
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.24.1242

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Summary:教室例75例の門脈圧亢進症の大腸内視鏡を検討した結果, その特徴的所見と出現頻度は,(1) 静脈瘤・blue vein: 46, 7% (35/75) [静脈瘤: 16% (12/75), blue vein: 30.7% (23/75)],(2) 樹枝状血管拡張: 85.3% (64/75),(3) くも状血管腫様病変: 6.7% (5/75) であった.特に大腸静脈瘤についてその出現部位をみると, 直腸 (25/63, 39.7%), S状結腸 (16/63, 25.4%), 盲腸 (10.63, 15.9%) に多発し, 基礎疾患別では肝硬変症 (26/63, 41.3%) に比べて, 肝外門脈閉塞症 (5/6, 83.3%) での出現頻度が高かった.大腸静脈瘤の発生頻度を食道静脈瘤の程度と肝硬変症におけるChild分類・ICG負荷試験の成績との対比を行ったが, Ls, F3, child B・CとICG-R15 30%以上の症例に出現頻度がやや高い傾向を認めた.また, 大腸静脈瘤破裂症例では, 上・下腸間膜動脈造影において, 動静脈瘻, 動脈瘤などの血管病変が高頻度 (4/6, 66.7%) にみられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.24.1242