胸腹部大動脈置換術における術中ケタミン使用が術後急性疼痛に及ぼす影響 ; 後向き観察研究

「抄録」 【目的】胸腹部大動脈置換術における麻酔補助薬としてのケタミン投与が術後急性疼痛に与える効果を後方視的に検討した. 【方法】対象は当施設で2015年から2019年の間に胸腹部または胸部下行大動脈置換術を受けた患者42名とした. 術中のケタミン使用群と非使用群で術後フェンタニル投与量を逆確率重み付け平均を用いて比較した. 【結果】術後フェンタニル投与量の平均値はケタミン使用群(28.0μg/kg)と非使用群(21.7μg/kg)で有意差を認めなかった(p=0.20). 【結論】胸腹部大動脈置換術における術中のケタミン使用は術後のフェンタニル投与量を減少させない可能性が示唆された....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCardiovascular Anesthesia Vol. 25; no. 1; pp. 21 - 27
Main Authors 松下裕貴, 梅原薫, 松本森作, 藤中和三, 鷹取誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓血管麻酔学会 01.09.2021
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「抄録」 【目的】胸腹部大動脈置換術における麻酔補助薬としてのケタミン投与が術後急性疼痛に与える効果を後方視的に検討した. 【方法】対象は当施設で2015年から2019年の間に胸腹部または胸部下行大動脈置換術を受けた患者42名とした. 術中のケタミン使用群と非使用群で術後フェンタニル投与量を逆確率重み付け平均を用いて比較した. 【結果】術後フェンタニル投与量の平均値はケタミン使用群(28.0μg/kg)と非使用群(21.7μg/kg)で有意差を認めなかった(p=0.20). 【結論】胸腹部大動脈置換術における術中のケタミン使用は術後のフェンタニル投与量を減少させない可能性が示唆された.
ISSN:1342-9132