遠心ポンプ体外循環回路における逆流防止弁の組込み箇所の検討

「要旨」 遠心ポンプシステムにおいて体外循環を行う際の逆流防止弁の組込み箇所について検討した. 実験回路は逆流防止弁を遠心ポンプ出口側と人工肺入口側の間に組込む回路および人工肺出口側に組込む回路とし, 静脈貯血槽内を大気圧と陰圧のそれぞれとして, 送血回路(患者動脈側)からの逆流と人工肺からの空気の引き込みを検証した. 実験より, 遠心ポンプ出口側と人工肺入口側の間に逆流防止弁を組込む回路では, 送血回路からの逆流が防止でき, 静脈貯血槽内が大気圧, 陰圧にかかわらず人工肺からの空気引き込みが防止できた. 遠心ポンプシステムで体外循環を行う場合, 逆流防止弁を遠心ポンプ出口側と人工肺入口側の間...

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Published in体外循環技術 Vol. 38; no. 1; pp. 52 - 54
Main Authors 道永祐希, 宮嵜聡麿, 菊池紀敏, 塩原徹郎, 寺崎貴光, 高野環, 天野純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.03.2011
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」 遠心ポンプシステムにおいて体外循環を行う際の逆流防止弁の組込み箇所について検討した. 実験回路は逆流防止弁を遠心ポンプ出口側と人工肺入口側の間に組込む回路および人工肺出口側に組込む回路とし, 静脈貯血槽内を大気圧と陰圧のそれぞれとして, 送血回路(患者動脈側)からの逆流と人工肺からの空気の引き込みを検証した. 実験より, 遠心ポンプ出口側と人工肺入口側の間に逆流防止弁を組込む回路では, 送血回路からの逆流が防止でき, 静脈貯血槽内が大気圧, 陰圧にかかわらず人工肺からの空気引き込みが防止できた. 遠心ポンプシステムで体外循環を行う場合, 逆流防止弁を遠心ポンプ出口側と人工肺入口側の間に組込む回路は, ローラーポンプシステムと同様な操作性が得られ, かつ陰圧吸引補助脱血法での体外循環も行えるので逆流防止弁の最適な組込み箇所と示唆された. 「I. 緒言」 体外循環装置を用いた開心術の際は, 送血ポンプとしてこれまでローラーポンプが広く用いられてきた.
ISSN:0912-2664