膝前十字靱帯再建例における片脚立ち上がりテストの結果と跳躍系パフォーマンステストの結果との相関性

「要旨」膝前十字靱帯(ACL)再建例85例を対象に, 片脚立ち上がりテスト(SLST)と跳躍系パフォーマンステストの関係, また跳躍系パフォーマンステストの成績に影響を及ぼす因子について検討した. 角速度60°での等速性膝伸展・屈曲筋力を測定し, 体重比膝伸展・屈曲筋力を算出し, Hamstrings/Quadriceps比(H/Q比)を求めた. 跳躍系パフォーマンステストには片脚で前方に3回連続跳躍を行う3hops test(3HT)を用いた. 高さ10・20・30cmの台を用いたSLSTの成績と3HTの成績を比較した. また, 3HTの成績に影響を及ぼす因子も検討した. より低い台からSL...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 26; no. 3; pp. 417 - 422
Main Authors 上池浩一, 森孝久, 藤岡宏幸, 吉矢晋一, 川口浩太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.08.2018
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ISSN1346-4159

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Summary:「要旨」膝前十字靱帯(ACL)再建例85例を対象に, 片脚立ち上がりテスト(SLST)と跳躍系パフォーマンステストの関係, また跳躍系パフォーマンステストの成績に影響を及ぼす因子について検討した. 角速度60°での等速性膝伸展・屈曲筋力を測定し, 体重比膝伸展・屈曲筋力を算出し, Hamstrings/Quadriceps比(H/Q比)を求めた. 跳躍系パフォーマンステストには片脚で前方に3回連続跳躍を行う3hops test(3HT)を用いた. 高さ10・20・30cmの台を用いたSLSTの成績と3HTの成績を比較した. また, 3HTの成績に影響を及ぼす因子も検討した. より低い台からSLSTが可能な対象ほど3HTと膝屈曲筋力, H/Q比は高値であり, 3HTの成績に影響を及ぼす因子としてH/Q比が抽出された. 本研究の結果から, SLSTは3HTと同様にACL再建術後の下肢運動機能評価として有用であり, 荷重位における下肢運動機能には膝伸展筋力のみならず膝屈曲筋力も影響することが示唆された.
ISSN:1346-4159