妊婦健診で妊婦が求めていること

「要旨」【目的】妊婦健診で妊婦が求めていることを明らかにし, ケアへの示唆を得る. 【方法】研究デザインは半構成的面接による質的探索的研究である. 研究協力者は, 定期的に妊婦健診を受けている妊娠22週以降の妊婦及び産後1か月以内の褥婦で, 研究協力に同意した者である. 面接で得られた録音データを逐語録にし, 妊婦が妊婦健診に求めていること, 妊婦健診における医療者とのやり取り及びその受け止めについて述べている部分に注目して内容の分析を行った. 【結果】研究協力者18名(妊婦15名, 褥婦3名)は, 平均年齢32.8歳(24~40歳), 初産婦9名, 経産婦9名だった. 妊婦健診で妊婦は「赤ち...

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Published in兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 24; pp. 67 - 77
Main Authors 槻木直子, 岡邑和子, 杉原真理, 西部尚子, 吉原理恵, 松田加代子, 松本奈美, 菅野峰子, 工藤美子, 山本あい子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所 01.03.2017
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ISSN1881-6592

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Summary:「要旨」【目的】妊婦健診で妊婦が求めていることを明らかにし, ケアへの示唆を得る. 【方法】研究デザインは半構成的面接による質的探索的研究である. 研究協力者は, 定期的に妊婦健診を受けている妊娠22週以降の妊婦及び産後1か月以内の褥婦で, 研究協力に同意した者である. 面接で得られた録音データを逐語録にし, 妊婦が妊婦健診に求めていること, 妊婦健診における医療者とのやり取り及びその受け止めについて述べている部分に注目して内容の分析を行った. 【結果】研究協力者18名(妊婦15名, 褥婦3名)は, 平均年齢32.8歳(24~40歳), 初産婦9名, 経産婦9名だった. 妊婦健診で妊婦は「赤ちゃん自身がいること及び赤ちゃんが元気かの確認」を求めていた. 妊婦は, 胎児の存在や正常性・順調な成長を意識的に確認しようとしており, 大丈夫と思えることで安心を得ていた. これらの確認は, 正常と言われること, 数値で体重がどれだけ増えているかを知ること, 体重が標準(週数通り)と説明を受けること, 心臓が動いているのをエコーで見て確認すること, 心拍を聞きながら・エコー画像を一緒に見ながら元気と言われることを通して行っていた. また, 妊婦は「自分に異常がないか(正常経過かどうか)の確認」を求めていた. 妊婦は, 医療者に大丈夫と言われること, 自分が不安に思っていることが大丈夫か医療者に確認すること, 自分は大丈夫と思っていることが本当に大丈夫か医療者に再確認することを通して大丈夫と思い, 安心を得ていた. これら確認と安心を得るために, 妊婦は医療者に対して「話しやすい(聞きやすい)こと」「自分に声をかけてもらい確認してもらうこと」「不安や疑問を相談できること」「分かりやすく説明してもらうこと」「自分を知ってくれていること」を望んでいた. 【結論】妊婦健診で妊婦が求めていることと妊婦の安心につながる関わりが明らかになり, そこから看護への示唆が得られた.
ISSN:1881-6592