生物学的製剤使用関節リウマチ患者に対する血清アミロイドA測定の有用性
「はじめに」 関節リウマチ(以下RA)は, 骨破壊を伴う多発性関節炎を特徴とする全身性の慢性炎症性疾患である. RAの治療は生物学的製剤等の新規薬剤の導入により大きく変わってきており, 疾患活動性を十分に抑え寛解の導入を目指す事が現実的な治療目標となってきている. RAの疾患活動性を評価する上で, CRP, 血沈(以下ESR)などの炎症反応やマトリックスメタロプロテアーゼ3(以下MMP-3)の上昇は重要な指標の1つである. しかし, IL-6阻害薬であるトシリズマブ(以下TCZ)投与中には, CRPやESRは投与後早期に強力に上昇が抑えられてしまうため, 疾患活動性の指標となりづらい. TCZ...
Saved in:
Published in | 日本関節病学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 27 - 32 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本関節病学会
2015
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1883-2873 |
Cover
Summary: | 「はじめに」 関節リウマチ(以下RA)は, 骨破壊を伴う多発性関節炎を特徴とする全身性の慢性炎症性疾患である. RAの治療は生物学的製剤等の新規薬剤の導入により大きく変わってきており, 疾患活動性を十分に抑え寛解の導入を目指す事が現実的な治療目標となってきている. RAの疾患活動性を評価する上で, CRP, 血沈(以下ESR)などの炎症反応やマトリックスメタロプロテアーゼ3(以下MMP-3)の上昇は重要な指標の1つである. しかし, IL-6阻害薬であるトシリズマブ(以下TCZ)投与中には, CRPやESRは投与後早期に強力に上昇が抑えられてしまうため, 疾患活動性の指標となりづらい. TCZ使用中は, CRPを含まないclinical disease activity index(以下CDAI)等の炎症マーカーの影響を受けない疾患活動性指標も用いられてきている. CDAIは, 腫脹関節数, 圧痛関節数, 患者全般visual analog scale(以下VAS), 医師全般VASを組み合わせた方法であり, 評価者間でのばらつきも指摘されており, より客観的な指標が必要と考えられる. |
---|---|
ISSN: | 1883-2873 |