ヒト汗中の乳酸, 尿酸, キサンチン, チロシンの高速液体クロマトグラフィーによる定量, 及びワイン摂取後の汗中の乳酸濃度変化

採取したヒト汗中に存在する乳酸, 尿酸, キサンチン, チロシンをHPLCで測定する方法を確立した. これらの化学物質は臨床的に有用なマーカーでもある. 汗の採取はバイアルを用いて指先から行い, 短時間に簡便に採集できた. すなわち1%アルコール水溶液40μlを0.6mlのバイアルに入れた後, 指にコンタクトさせて5分間汗を採集した. 同時に発汗量を反対の手の同じ位置で測定した. 8人の若い被験者の汗中の乳酸, 尿酸, キサンチン, チロシンの各濃度はそれぞれ154mM, 150μM, 225μM, 2.25mMであった. ワインの経口摂取による汗成分の経時変化を調べた. 汗の発汗量はワインの...

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Published in分析化学 Vol. 51; no. 6; pp. 429 - 435
Main Authors 菅瀬, 貞治, 津田, 孝雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.06.2002
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Summary:採取したヒト汗中に存在する乳酸, 尿酸, キサンチン, チロシンをHPLCで測定する方法を確立した. これらの化学物質は臨床的に有用なマーカーでもある. 汗の採取はバイアルを用いて指先から行い, 短時間に簡便に採集できた. すなわち1%アルコール水溶液40μlを0.6mlのバイアルに入れた後, 指にコンタクトさせて5分間汗を採集した. 同時に発汗量を反対の手の同じ位置で測定した. 8人の若い被験者の汗中の乳酸, 尿酸, キサンチン, チロシンの各濃度はそれぞれ154mM, 150μM, 225μM, 2.25mMであった. ワインの経口摂取による汗成分の経時変化を調べた. 汗の発汗量はワインの摂取前後でほぼ変化なかったが, ワイン成分中に含まれる乳酸は25~45分後最大値を示した. 汗中の乳酸は末梢血管からきていると推測される.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.51.429