一般総合病院における不整脈出現頻度 高年齢群の特徴
稲田登戸病院における昭和58年度1年間の12誘導心電図のうち重複を除いた5,079例 (男2,546例, 女2,533例, 年齢15~93歳) を対象とし, 不整脈出現頻度を各年代別に比較検討し, 高年齢群における特徴を示した. その結果, (1) 各種不整脈の出現頻度は, (1) 左軸偏位8.3%, (2) 心室性期外収縮3.6%, (3) 上室性期外収縮3.4%, (4) 洞性頻脈3.2%, (5) I°房室ブロック2.7%, (6) 心房細動2.5%の順であった. また, (2) 対象を49歳以下 (I群: 1,542例), 50~69歳 (II群: 2,236例), 70歳以上 (II...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 23; no. 1; pp. 41 - 49 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
01.01.1986
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Subjects | |
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ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.23.41 |
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Summary: | 稲田登戸病院における昭和58年度1年間の12誘導心電図のうち重複を除いた5,079例 (男2,546例, 女2,533例, 年齢15~93歳) を対象とし, 不整脈出現頻度を各年代別に比較検討し, 高年齢群における特徴を示した. その結果, (1) 各種不整脈の出現頻度は, (1) 左軸偏位8.3%, (2) 心室性期外収縮3.6%, (3) 上室性期外収縮3.4%, (4) 洞性頻脈3.2%, (5) I°房室ブロック2.7%, (6) 心房細動2.5%の順であった. また, (2) 対象を49歳以下 (I群: 1,542例), 50~69歳 (II群: 2,236例), 70歳以上 (III群: 1,291例) の3群に分けて検討したところ, III群での出現率は, (1) 左軸偏位14.5%, (2) 上室性期外収縮8.2%,(3) 心室性期外収縮6.1%, (4) 心房細動4.7%, (5) 完全右脚ブロック4.0%, (6) 洞性頻脈3.9%の順であった. III群における上室性期外収縮の頻度はI群の9.8倍, II群の3.3倍, 心室性期外収縮はそれぞれ2.7倍, 2.0倍, 心房細動は8.1倍, 1.9倍, 完全右脚ブロックは4.1倍, 1.9倍であり, 高年齢群ほど高率にこれら不整脈の合併が認められた. 一方I°房室ブロック, 不完全右脚ブロック, 洞性頻脈, 洞性徐脈では年代の高齢化により増加する傾向は明らかではなかった. (3) 男女別でみるとI°房室ブロック, 洞性徐脈は男性で女性の約2倍の頻度で出現した. 一般総合病院, 1年間における不整脈出現頻度を年代別に調査し, 年代の高齢化にともなう頻度の推移, また男女の性差についても検討した. そして各不整脈を有する症例の基礎疾患を調査し, 高年齢群における不整脈出現頻度増加因子につき考案した. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.23.41 |