成長期疲労骨折の特徴 - 腰椎発生と他部位発生との比較
〔要旨〕 2015年3月から2020年3月までに, 当院(地方都市のスポーツ整形外科クリニック)を受診し成長期疲労骨折と診断された小学生から高校生の813例を対象とした. 診療録より後ろ向きに, 障害部位, 受診時年齢, 性別, スポーツ種目, 疼痛を自覚した時期(以下, 発症月), 疼痛自覚から受診までの期間(以下, 罹患期間)の各項目について, 腰椎疲労骨折(以下, 腰椎)とその他の疲労骨折(以下, 腰椎以外)に分けてこの両者を比較検討した. 腰椎は469例, 腰椎以外は344例であった. 年齢のピークは, 腰椎が14歳, 腰椎以外が16歳であったが, 平均年齢では有意差を認めなかった....
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 2; pp. 350 - 356 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
30.04.2022
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ISSN | 1346-4159 |
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Summary: | 〔要旨〕 2015年3月から2020年3月までに, 当院(地方都市のスポーツ整形外科クリニック)を受診し成長期疲労骨折と診断された小学生から高校生の813例を対象とした. 診療録より後ろ向きに, 障害部位, 受診時年齢, 性別, スポーツ種目, 疼痛を自覚した時期(以下, 発症月), 疼痛自覚から受診までの期間(以下, 罹患期間)の各項目について, 腰椎疲労骨折(以下, 腰椎)とその他の疲労骨折(以下, 腰椎以外)に分けてこの両者を比較検討した. 腰椎は469例, 腰椎以外は344例であった. 年齢のピークは, 腰椎が14歳, 腰椎以外が16歳であったが, 平均年齢では有意差を認めなかった. 性別は腰椎が有意に男性の割合が多かった. スポーツ種目別の性別ではバレーボールにて腰椎に男性の割合が有意に高かった. 発症月は腰椎が4月, 腰椎以外が8月に最も多かった. 罹患期間は腰椎が有意に長かった. 年齢に関係なく疲労骨折の疑いがある場合は積極的にMRI検査を行い早期診断することが重要である. |
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ISSN: | 1346-4159 |