当院における前十字靭帯再建術後再断裂の調査

[要旨] 当院にて2006年5月から2012年4月までに初回ACL再建術を施行した患者の再断裂状況を調査した. 511例中35例(6.8%)が再断裂し, 内28例がスポーツ復帰後に起こった. 再断裂例の平均年齢は19歳, その内スポーツ復帰者の平均復帰時期は175±59 (113~438)日であった. 24例(68%)は12ヵ月以内に再断裂していた. 8例はスポーツ復帰から1ヵ月以内に, 15例は3ヵ月以内に再断裂していた. また, 術後復帰期間と復帰から再断裂までの期間との相関はなかった. 若年者で復帰後早期の再断裂が多かったため, リスクや段階的な復帰の指導, 安全な動作の獲得が重要ではな...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 120 - 127
Main Authors 中畑晶博, 湯朝友基, 江本玄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2015
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Summary:[要旨] 当院にて2006年5月から2012年4月までに初回ACL再建術を施行した患者の再断裂状況を調査した. 511例中35例(6.8%)が再断裂し, 内28例がスポーツ復帰後に起こった. 再断裂例の平均年齢は19歳, その内スポーツ復帰者の平均復帰時期は175±59 (113~438)日であった. 24例(68%)は12ヵ月以内に再断裂していた. 8例はスポーツ復帰から1ヵ月以内に, 15例は3ヵ月以内に再断裂していた. また, 術後復帰期間と復帰から再断裂までの期間との相関はなかった. 若年者で復帰後早期の再断裂が多かったため, リスクや段階的な復帰の指導, 安全な動作の獲得が重要ではないかと考える. [はじめに] 前十字靭帯(以下ACL)損傷はスポーツ現場において一般的な怪我の1つである. ACL損傷の危険因子として, 活動レベル, 女性, 解剖学的因子などが関係することが明らかになっている.
ISSN:1346-4159