発達障害児への音楽療法

「I はじめに」 児童は身体的, 精神的, 社会的に発達の途上にある. 従って発達障害児を対象とする音楽療法は, 大きくは身体的, 精神的発達や社会適応を援助する目的で行われている. 発達障害児への音楽療法の意義は(1)音楽の性質上, 対象児に訓練的な雰囲気を感じさせずに, 活動することが容易なこと. (2)音楽的完成を目的としていない為, 対象児は達成感を多く味わうことが出来ること. (3)言語的コミュニケーション手段を持たない児に対して, 音楽はコミュニケーション手段として有効であり, 非言語的な相互の交流の場となること. (4)音楽は身体運動を誘発しやすい為, 運動機能の発達訓練に役立つ...

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Published in新潟医療福祉学会誌 Vol. 2; no. 1; pp. 36 - 41
Main Author 丸山敬子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 新潟医療福祉学会 2002
Niigata University of Health and Welfare
新潟医療福祉大学
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ISSN1346-8774

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Summary:「I はじめに」 児童は身体的, 精神的, 社会的に発達の途上にある. 従って発達障害児を対象とする音楽療法は, 大きくは身体的, 精神的発達や社会適応を援助する目的で行われている. 発達障害児への音楽療法の意義は(1)音楽の性質上, 対象児に訓練的な雰囲気を感じさせずに, 活動することが容易なこと. (2)音楽的完成を目的としていない為, 対象児は達成感を多く味わうことが出来ること. (3)言語的コミュニケーション手段を持たない児に対して, 音楽はコミュニケーション手段として有効であり, 非言語的な相互の交流の場となること. (4)音楽は身体運動を誘発しやすい為, 運動機能の発達訓練に役立つこと. (5)グループで活動する場合は合奏, 合唱, 音楽を使ったゲーム, 簡単なダンス等の活動を行うが, このような活動を通して社会性を養うことに貢献できること. である. II 音楽療法が行われている場所 発達障害児への音楽療法, 及び音楽療法的活動が行われる場所は (1)医療機関 (2)福祉センター等の公的通所施設 (3)自主グループ (4)その他 である.
ISSN:1346-8774