新鮮腰椎分離症患者に対する早期リハビリテーションの検討 - 筋柔軟性と骨癒合の評価
〔要旨〕【背景】新鮮腰椎分離症に対するリハビリテーションは, 身体機能の改善を図ると同時に, 骨癒合を妨げずに実施する必要がある. 本研究の目的は当院の早期リハビリテーションプログラムにおける骨癒合率と筋柔軟性変化を検討することである. 【方法】骨癒合を目指した保存療法を行った新鮮腰椎分離症患者のうち, 筋柔軟性変化と骨癒合に関する診療情報がそろっていた小学生から高校生の20例を調査した. リハビリテーションは診断後早期から開始し, 統一したセルフエクササイズの指導とコルセット装着下での積極的なストレッチングを実施した. MRI所見の陰性化後に運動制限を解除し, CTで骨癒合を確認した. リハ...
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Published in | 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 1; pp. 31 - 38 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床スポーツ医学会
31.01.2022
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ISSN | 1346-4159 |
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Summary: | 〔要旨〕【背景】新鮮腰椎分離症に対するリハビリテーションは, 身体機能の改善を図ると同時に, 骨癒合を妨げずに実施する必要がある. 本研究の目的は当院の早期リハビリテーションプログラムにおける骨癒合率と筋柔軟性変化を検討することである. 【方法】骨癒合を目指した保存療法を行った新鮮腰椎分離症患者のうち, 筋柔軟性変化と骨癒合に関する診療情報がそろっていた小学生から高校生の20例を調査した. リハビリテーションは診断後早期から開始し, 統一したセルフエクササイズの指導とコルセット装着下での積極的なストレッチングを実施した. MRI所見の陰性化後に運動制限を解除し, CTで骨癒合を確認した. リハビリテーション初回と2か月以上実施した時点でのThomasテスト (腸腰筋) , Elyテスト (大腿四頭筋) , 大殿筋拘縮テスト, Oberテスト (大腿筋膜張筋) , SLRテスト (ハムストリングス) による筋タイトネス陽性率の変化について検討した. 【結果】運動制限を要した期間は平均3.4か月で, 29分離中24分離 (83%) で骨癒合が確認された. 筋タイトネス陽性率は腸腰筋90%から40%, 大腿四頭筋75%から40%, 大殿筋70%から20%, 大腿筋膜張筋90%から55%, ハムストリングス85%から45%と, 全項目で改善していた. 【考察】保存治療中の早期から積極的な理学療法を行い, 骨癒合を妨げることなく, 筋柔軟性を改善させることができていた. |
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ISSN: | 1346-4159 |