心房中隔欠損孔パッチ閉鎖術後に発生した乳糜瘻の1治験例

成人における心房中隔欠損孔パッチ閉鎖術後に発生した乳糜瘻の1例を経験し, 保存的治療にて治癒せしめえた. 症例は55歳, 男性. 1990年6月, 両下肢腫脹を主訴に当院を受診し心房中隔欠損症の診断で, 11月, 心房中隔欠損孔パッチ閉鎖術を施行した. 術後5日目より流動食を開始したが食後2時間半ほどしてから, 前縦隔ドレーンの排液が白濁し始め貯留槽に浮遊したため, 乳糜瘻を疑い直ちに絶食とした. 以後, 中心静脈栄養にて管理したが, 250~350ml/日の排液が続いた. 外科的治療を考慮したが, 術後14日目に前縦隔ドレーンを約5cm引き抜いてみたところ排液が急激に減少し, 保存的に治癒せ...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 24; no. 3; pp. 178 - 181
Main Authors 近藤, 治郎, 市川, 由紀夫, 蔵田, 英志, 松本, 昭彦, 梶原, 博一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.05.1995
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.24.178

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Summary:成人における心房中隔欠損孔パッチ閉鎖術後に発生した乳糜瘻の1例を経験し, 保存的治療にて治癒せしめえた. 症例は55歳, 男性. 1990年6月, 両下肢腫脹を主訴に当院を受診し心房中隔欠損症の診断で, 11月, 心房中隔欠損孔パッチ閉鎖術を施行した. 術後5日目より流動食を開始したが食後2時間半ほどしてから, 前縦隔ドレーンの排液が白濁し始め貯留槽に浮遊したため, 乳糜瘻を疑い直ちに絶食とした. 以後, 中心静脈栄養にて管理したが, 250~350ml/日の排液が続いた. 外科的治療を考慮したが, 術後14日目に前縦隔ドレーンを約5cm引き抜いてみたところ排液が急激に減少し, 保存的に治癒せしめることができた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.24.178