腹部大動脈瘤における動脈壁組織Lp(a)の検討

リポ蛋白 (a) [Lp(a)] は動脈硬化性疾患の独立した危険因子であるとされている. 腹部大動脈瘤(AAA) においても同様の傾向があると考え, 血清濃度を測定し, 健常者と比較した. 健常者では14.6±13.6mg/dlであったのに対し, AAAでは53.2±60.8mg/dlと有意 (p<0.001) に高値であった. また, 動脈瘤壁のLp (a) 含有量は49.8±39.2ng/mgであった. さらにLp (a) の血清濃度と壁瘤内含有量とは有意 (r2=0.79, p<0.01) の正相関を示した. また, 免疫組織染色においてLp(a) は内膜中間部の細胞外基質に...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 25; no. 6; pp. 359 - 363
Main Authors 清島, 満, 荒川, 博徳, 矢野, 容子, 柴田, 雅也, 松本, 興治, 廣瀬, 一, 不破, 誠行, 野間, 昭夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.11.1996
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.25.359

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Summary:リポ蛋白 (a) [Lp(a)] は動脈硬化性疾患の独立した危険因子であるとされている. 腹部大動脈瘤(AAA) においても同様の傾向があると考え, 血清濃度を測定し, 健常者と比較した. 健常者では14.6±13.6mg/dlであったのに対し, AAAでは53.2±60.8mg/dlと有意 (p<0.001) に高値であった. また, 動脈瘤壁のLp (a) 含有量は49.8±39.2ng/mgであった. さらにLp (a) の血清濃度と壁瘤内含有量とは有意 (r2=0.79, p<0.01) の正相関を示した. また, 免疫組織染色においてLp(a) は内膜中間部の細胞外基質に存在し, 中膜および外膜には存在しなかった.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.25.359