筋萎縮性側索硬化症

「要旨」筋萎縮性側索硬化症 (Amyotrophic Lateral Sclerosis : ALS) における病因, 病態, 臨床徴候の解明はここ10~20年で目覚ましい進歩を遂げ, それに伴って診断基準や治療法にも変化が見られる. たとえば, 運動ニューロンの細胞死にかかわる特異的な分子変化の発見, 発症に関与する遺伝子異常の新たな解明, flail arm syndromeなどの亜型や臨床早期にみられる解離性小手筋萎縮 (split hand) などの報告, 改訂El Escorial診断基準やAwaji診断基準などの新たなALS診断基準の提唱, ALSの病態機序に基づく既存の薬物あるい...

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Published inディサースリア臨床研究 Vol. 9; no. 1; pp. 53 - 59
Main Author 佐々木彰一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ディサースリア臨床研究会 10.12.2019
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ISSN2186-7186

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Summary:「要旨」筋萎縮性側索硬化症 (Amyotrophic Lateral Sclerosis : ALS) における病因, 病態, 臨床徴候の解明はここ10~20年で目覚ましい進歩を遂げ, それに伴って診断基準や治療法にも変化が見られる. たとえば, 運動ニューロンの細胞死にかかわる特異的な分子変化の発見, 発症に関与する遺伝子異常の新たな解明, flail arm syndromeなどの亜型や臨床早期にみられる解離性小手筋萎縮 (split hand) などの報告, 改訂El Escorial診断基準やAwaji診断基準などの新たなALS診断基準の提唱, ALSの病態機序に基づく既存の薬物あるいは細胞増殖 (成長) 因子による臨床治験, iPS細胞を用いた研究から治療への応用あるいは再生医療への試みなどである. 本稿では, 最近のALS研究の進歩を踏まえて, 主にALSの病態生理, 診断基準, 臨床経過などについて概説する.
ISSN:2186-7186