「周産期に携わる中堅看護職のリフレクションに基づく看護・助産実践力向上プログラム」の検証 - 中堅看護職が認識する実践力の変化及び, 得た情報を実践に取り入れるプロセスの検討

「要旨」【目的】「周産期に携わる中堅看護職のリフレクションに基づく看護・助産実践力向上プログラム」を実施し, 中堅看護職が認識する実践力の変化及び, 中堅看護職が得た情報を実践に取り入れるプロセスを明らかにする. 【方法】実践力向上プログラムを受けた中堅看護職が認識する実践力の変化及び, 得た情報を実践に取り入れるプロセスを検討した評価研究とした. 研究対象者は産科病棟・外来での経験年数が5年以上の看護師及び助産師とした. 実践力向上プログラムは, 省察的実践論を基盤に構成し, 周産期倫理的課題への対応, 分娩時フィジカルアセスメント, 精神的健康問題への対応, 中堅看護職としてのマネジメント...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 26; pp. 61 - 76
Main Authors 岩國亜紀子, 菅野峰子, 金英仙, 箕浦洋子, 山本あい子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所 01.03.2019
Online AccessGet full text
ISSN1881-6592

Cover

More Information
Summary:「要旨」【目的】「周産期に携わる中堅看護職のリフレクションに基づく看護・助産実践力向上プログラム」を実施し, 中堅看護職が認識する実践力の変化及び, 中堅看護職が得た情報を実践に取り入れるプロセスを明らかにする. 【方法】実践力向上プログラムを受けた中堅看護職が認識する実践力の変化及び, 得た情報を実践に取り入れるプロセスを検討した評価研究とした. 研究対象者は産科病棟・外来での経験年数が5年以上の看護師及び助産師とした. 実践力向上プログラムは, 省察的実践論を基盤に構成し, 周産期倫理的課題への対応, 分娩時フィジカルアセスメント, 精神的健康問題への対応, 中堅看護職としてのマネジメントに関する講義, 演習, 事例分析, 学びの振り返りを展開した. 評価指標は, (1)プログラム実施前後に測定した「キャリア中期看護師の臨床実践力測定尺度ver 3 (CPPMS)」の得点と, (2)プログラム実施後の面接調査より得られた「中堅看護職が得た情報を実践に取り入れるプロセス」に関する内容とした. (1)はSPSS Statistics ver.23.0を用いてPaired t-test, Student t-test, X2 testを行い, (2)は内容を要約しカテゴリー化した. 研究者所属施設の研究倫理委員会で承認を得て実施した. 【結果】研究協力者は50名であった. CPPMS総得点及び因子別得点は有意に上昇し, 中堅看護職が認識する実践力が有意に高まることが示された. 研究協力者11名がプログラムを通して得た情報を実践に取り入れるプロセスは, 【現状の捉えが変わりそれに応じて対応し始める】, 【受け入れられる知識や助言を実践に取り入れる】の2カテゴリーに集約された. 【結論】実践力向上プログラムは中堅看護職が認識する実践力を有意に向上させるものであった. 加えて, 中堅看護職はプログラムを通して得た情報を【現状の捉えが変わりそれに応じて対応し始める】, 【受け入れられる知識や助言を実践に取り入れる】という形で実践に取り入れていた.
ISSN:1881-6592