Changeableネック構造のTaper Lock型ステムを用いた人工股関節置換術の臨床成績

「はじめに」人工股関節置換術 (以下THA) 後の脱臼は, 筋腱非切離や軟部組織修復といったアプローチの工夫, さらにネックのデザインの改善・大径骨頭の使用によるHead-Neck Ratioの増加やjumping distanceの増加などによりその頻度は低下している. 前側方アプローチによるTHA術後の脱臼の頻度は少なく術後6ヶ月以内に生じているとの報告もあり, 後方アプローチでも軟部組織の修復を行えば脱臼率は低く術後6ヶ月以内に91%が生じているとの報告もある. 術後早期脱臼の予防として術中にできることは, 臼蓋ソケット・大腿骨ステムを正確に設置し, インピンジメントを生じないように注意...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 30; no. 4; pp. 489 - 494
Main Authors 藤田貴也, 藤中太郎, 大久保匡, 船山敦, 戸山芳昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2011
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ISSN1883-2873

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Summary:「はじめに」人工股関節置換術 (以下THA) 後の脱臼は, 筋腱非切離や軟部組織修復といったアプローチの工夫, さらにネックのデザインの改善・大径骨頭の使用によるHead-Neck Ratioの増加やjumping distanceの増加などによりその頻度は低下している. 前側方アプローチによるTHA術後の脱臼の頻度は少なく術後6ヶ月以内に生じているとの報告もあり, 後方アプローチでも軟部組織の修復を行えば脱臼率は低く術後6ヶ月以内に91%が生じているとの報告もある. 術後早期脱臼の予防として術中にできることは, 臼蓋ソケット・大腿骨ステムを正確に設置し, インピンジメントを生じないように注意し, 至適な筋緊張を得ることである. しかし最終的なインプラント設置後にインピンジメントが発覚し脱臼傾向が生じる場合や筋緊張の不足を解消するためにネック延長のみでは脚長差が生じ, 結果的に患者満足度が下がるという可能性がある.
ISSN:1883-2873