肺結核に起因した血球貪食症候群の1例
「要旨」 : 61歳男性. 20X年4月頃より咳嗽出現, 食事困難となり, 意識障害をきたし近隣の病院に救急搬送された. 低血糖昏睡・ショックと診断され, 輸液を確保し, ブドウ糖が投与された. 意識清明となったが, 喀痰検査で抗酸菌塗抹3+, TB-PCR陽性となり肺結核と診断され当院に転院となった. 高熱, 汎血球減少, 高フェリチン血症, 低フィブリノーゲン血症, 骨髄における血球貪食像より貪食性リンパ組織球症 (HLH) , 凝固線溶系の亢進より播種性血管内凝固症候群 (DIC) と診断された. 抗結核剤4剤, ステロイド剤, 抗凝固剤の投与によりフェリチンの急速な低下, 汎血球減少,...
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Published in | 結核 Vol. 94; no. 4; pp. 355 - 359 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本結核病学会
15.04.2019
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ISSN | 0022-9776 |
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Summary: | 「要旨」 : 61歳男性. 20X年4月頃より咳嗽出現, 食事困難となり, 意識障害をきたし近隣の病院に救急搬送された. 低血糖昏睡・ショックと診断され, 輸液を確保し, ブドウ糖が投与された. 意識清明となったが, 喀痰検査で抗酸菌塗抹3+, TB-PCR陽性となり肺結核と診断され当院に転院となった. 高熱, 汎血球減少, 高フェリチン血症, 低フィブリノーゲン血症, 骨髄における血球貪食像より貪食性リンパ組織球症 (HLH) , 凝固線溶系の亢進より播種性血管内凝固症候群 (DIC) と診断された. 抗結核剤4剤, ステロイド剤, 抗凝固剤の投与によりフェリチンの急速な低下, 汎血球減少, 凝固線溶系の改善を認め, 約3カ月後には結核菌の喀痰塗抹・培養検査も陰性化した. 肺結核に起因したHLHは早急な診断と治療が生命予後を改善すると考えられた. |
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ISSN: | 0022-9776 |