障がい者スポーツにできる看護職の支援とは - ナラティヴ (物語) への取り組み

「要旨」 : 約50年前, 障がい者は施設の中で静かにしていることが当たり前であった. しかし, 第1回東京パラリンピック, 1981年の大分国際車いすマラソンを経て, むしろ運動負荷を与えることは障がい者のリスクとはならないという実証研究もあり, 健康診断を前提とする運動・スポーツが推奨されるようになった. 障がい者にとってスポーツは, 残存機能を最大限に引き出してくれる価値あるものである. 看護職には障がい者がスポーツに親しむきっかけづくりの役割が期待されている. それは, パラスポーツ大会に看護職として帯同するというような目にみえる形の支援だけではなく, スポーツをしたいとひそかに心に思...

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Published in日本ヒューマンケア・ネットワーク学会誌 Vol. 22; no. 1; pp. 104 - 106
Main Author 田村玉美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヒューマンケア・ネットワーク学会 01.11.2024
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ISSN2434-3374

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Summary:「要旨」 : 約50年前, 障がい者は施設の中で静かにしていることが当たり前であった. しかし, 第1回東京パラリンピック, 1981年の大分国際車いすマラソンを経て, むしろ運動負荷を与えることは障がい者のリスクとはならないという実証研究もあり, 健康診断を前提とする運動・スポーツが推奨されるようになった. 障がい者にとってスポーツは, 残存機能を最大限に引き出してくれる価値あるものである. 看護職には障がい者がスポーツに親しむきっかけづくりの役割が期待されている. それは, パラスポーツ大会に看護職として帯同するというような目にみえる形の支援だけではなく, スポーツをしたいとひそかに心に思いを秘めている障がい者や, スポーツをはじめしようとする障がい者から何を求められているのかを, 語ってもらい, それをナラティブ (物語) として社会化することにもあると考える. そのような取り組みを通して, 障がいを持つ人々の健康の維持・増進を支援する.
ISSN:2434-3374