テレビ通話システム・アミによる介護の実践と介護負担感軽減の試み

「要旨」 : 今回, 我われはハッピーベル社とテレビ通話システム・アミを開発した. 在宅高齢者と別居の介護者にアミを1年間試用してもらい具体的使用法と介護負担感の変化を調べたので報告する. 3事例は高齢夫婦か独居世帯で, 要介護度は1, 90歳前後の女性であった. 使用状況から, テレビ通話に対する介護者のニーズは安否, 精神・心理, 栄養・水分摂取などの「健康状態」の確認, 家事等の「活動」の把握, 外出等の「社会参加」の確認であった. また, テレビ通話を用いることで介護者の訪問負担の軽減と精神的負担の軽減がみられた. その要因として, 介護者がテレビ通話に訪問代替性を感じ, 訪問頻度や滞...

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Published in日本ヒューマンケア・ネットワーク学会誌 Vol. 21; no. 1; pp. 42 - 49
Main Authors 吉満孝二, 田中有貴, 福永一喜, 藤田賢太郎, 平嶋佑太郎, 岩渕俊一朗, 山之内瑞穂, 宮路幸一, 岩下周子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヒューマンケア・ネットワーク学会 01.10.2023
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ISSN2434-3374

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Summary:「要旨」 : 今回, 我われはハッピーベル社とテレビ通話システム・アミを開発した. 在宅高齢者と別居の介護者にアミを1年間試用してもらい具体的使用法と介護負担感の変化を調べたので報告する. 3事例は高齢夫婦か独居世帯で, 要介護度は1, 90歳前後の女性であった. 使用状況から, テレビ通話に対する介護者のニーズは安否, 精神・心理, 栄養・水分摂取などの「健康状態」の確認, 家事等の「活動」の把握, 外出等の「社会参加」の確認であった. また, テレビ通話を用いることで介護者の訪問負担の軽減と精神的負担の軽減がみられた. その要因として, 介護者がテレビ通話に訪問代替性を感じ, 訪問頻度や滞在時間を減らすことができたことと, 顔を合わせながらのテレビ通話では被介護者の会話の理解が良く, 介護者と被介護者の相互理解が進んだことで, 親近感, 安心感が強まったためだと考えられた. 見守り・コミュニケーションツールとしてテレビ通話は有用であった.
ISSN:2434-3374