両側筋突起過形成症による開口障害と両側下顎頭劣形成症による小下顎とオトガイ非対称の併発に対して手術を行った1例
「緒言」下顎頭劣形成症(condylar hypoplasia:CH)は先天性と後天性に分けられ, 先天性はTreacher Collins症候群や第一第二鰓弓症候群などの症候群に随伴して生じるものと, その他の非症候群性のものがある. CHに伴い小顎症や下顎非対称がみられ, 形態不調和や機能障害を生じる. 筋突起過形成症(hyperplasia of coronoid process:HCP)は, 筋突起と頬骨内面との干渉により顎関節運動が制限され, 開口障害を引き起こす場合がある. CHとHCPは下顎の形態不調和をきたす例が多く, これら2つの病態は相互に影響を及ぼし併発する例もある. 今...
Saved in:
Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 34; no. 3; pp. 221 - 229 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本顎変形症学会
15.08.2024
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0916-7048 |
Cover
Summary: | 「緒言」下顎頭劣形成症(condylar hypoplasia:CH)は先天性と後天性に分けられ, 先天性はTreacher Collins症候群や第一第二鰓弓症候群などの症候群に随伴して生じるものと, その他の非症候群性のものがある. CHに伴い小顎症や下顎非対称がみられ, 形態不調和や機能障害を生じる. 筋突起過形成症(hyperplasia of coronoid process:HCP)は, 筋突起と頬骨内面との干渉により顎関節運動が制限され, 開口障害を引き起こす場合がある. CHとHCPは下顎の形態不調和をきたす例が多く, これら2つの病態は相互に影響を及ぼし併発する例もある. 今回われわれは, 開口障害, 小下顎とオトガイ非対称を呈する両側筋突起過形成症と両側下顎頭劣形成症を併発する患者に対して筋突起切除術とオトガイ形成術を施行したので, その経過を報告し, 文献的に考察する. 「症例」患者:23歳, 女性. 主訴:開口障害, 小下顎とオトガイ非対称. 家族歴:特記すべき事項なし. |
---|---|
ISSN: | 0916-7048 |