Autistic burnoutとは何か ~就労場面における気づきと対処に関する支援者へのインタビュー調査

「要約」本研究では, ASDのある人のメンタルヘルス悪化の様相の一つであるautistic burnoutに着目し, 支援者から見た就労上のバーンアウトの様相を見出すことを目的に, 就労支援の実務者を対象に半構造化インタビューを行った. 質的分析の結果, 支援者は「身体の不調」「精神の不調」「対人面の変化」「行動面の変化」「実行機能の低下」「刺激耐性の低下」「回避・引きこもり」「勤怠への影響」の側面からバーンアウトに気づいており, その後の対処として「職務・環境の支援」「他機関との連絡・調整・紹介」「負荷の軽減」「面談・相談機会の確保」を行っていた. また, 就労上のバーンアウトには「視点の断...

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Published in職業リハビリテーション Vol. 38; no. 2; pp. 2 - 11
Main Authors 千田若菜, 柴田珠里, 小川浩, 岡田智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本職業リハビリテーション学会 30.03.2025
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ISSN0915-0870

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Summary:「要約」本研究では, ASDのある人のメンタルヘルス悪化の様相の一つであるautistic burnoutに着目し, 支援者から見た就労上のバーンアウトの様相を見出すことを目的に, 就労支援の実務者を対象に半構造化インタビューを行った. 質的分析の結果, 支援者は「身体の不調」「精神の不調」「対人面の変化」「行動面の変化」「実行機能の低下」「刺激耐性の低下」「回避・引きこもり」「勤怠への影響」の側面からバーンアウトに気づいており, その後の対処として「職務・環境の支援」「他機関との連絡・調整・紹介」「負荷の軽減」「面談・相談機会の確保」を行っていた. また, 就労上のバーンアウトには「視点の断絶」などにより周囲が気づきにくい側面や, ケアの対象とされにくい側面があることから, 適切に気づき対処されなかった場合のリスクについても議論した. バーンアウトの見立てにあたっては, 変化を捉える上で, 就労初期における個人と職場環境の相互作用のアセスメントが必要であると考えられた.
ISSN:0915-0870